浜辺に打ち上げられたイルカを特撮で表現する・動画の固定カメラ映像+切り抜き写真
(下記は動画テロップからの書き出しを元にしています。内容は動画でお楽しみください)
今回はデジタル合成のうち、最も手軽な手法の応用例を紹介します。
グリーンバック撮影をしてクロマキー合成をするというような、ある程度大がかりな合成映像ではなくて、単に写真を撮って、切り抜いて合成するというシンプルなやり方です。
それとほんの一部の映像だけ実物大の模型を作って使うと、表現の幅が広がります。
これは「理の形(ことわりのかたち)」という作品の冒頭部分です。
ニュースでも時々見かける、砂浜にたくさんのイルカが打ち上げられているというシーンから始まるんですね。
当然、イルカは、実物ではなくて、実物大の模型ですらないわけです。
ミニチュアを使って合成しています。まずはできるだけリアルな形でのイルカの模型を作ります。
木材や石粉粘土を使って、イルカの模型を作りました。
表面にパテを塗って磨くということを繰り返して、なるべく滑らかな皮膚の感じを出して、それらしい塗装をして仕上げています。
正直、模型の出来としてはレベルは高くないんですが、映像で使う場合、これ以上作り込んでもほとんど品質の差が感じられません。
撮影用の模型作りにはこの「加減」の判断が必要です。
基本的にはこの一つの模型を使って、いろいろな角度で写真を撮った写真を切り抜くんですね。
フォトショップのような画像加工ソフトを使って切り抜いて、該当する映像に貼り付ける作業をします。
動画編集ソフトを使うと、動画に切り抜いた写真を綺麗に貼り込めるんです。
ただ、このタイプの合成映像というのは、その合成したものに登場人物が触れることはできないんですね。触れているようには見えない。
この作品の中では、「そこにイルカがいる」ということを表現するために触れているカットがいくつかあります。
そのために、ほんの一部分なんですけれども、イルカの体を表現する「実物大のセット」を作りました。
実物大のセットは、イルカの皮膚に触れるアップの映像用の模型です。
これだけ見るとなんだかわからないんですけれども、土台となっているのは、材木と段ボール。その表面に薄いグレーのウレタンを貼っています。
塗装しなくていいように、何となくイルカの皮膚の感じが出るような色のウレタンを選んで買ってきて、それを貼り付けています。
写真の切り抜きは、合成としてはシンプルであまり難しくはないんですね。
難しくない上に、不自然になりにくいという特徴があります。
こういうシンプルな特撮を使って、思い描いたシーンをなるべくそのままの形で映像化するのに有効なのが特撮技術です。
参考になれば幸いです。
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