創作活動で身につくスキルとは?・映画作りで学ぶ問題解決力・創造力・協働力

忙しい時代に実は一石二鳥の趣味が「創作」

本人が望もうが望むまいが、世界から大量の情報が与えられる時代です。
そして不況。
業種にもよるでしょうが、売れない時代は忙しさが加速します。
ブラック企業が分かりやすい例です。

 

「こんなに忙しくて疲弊しているのに、暇つぶしの趣味なんかやってられないよ」という声も聞こえてきそうです。
でも、ちょっと待ってください。
趣味を単なる暇つぶしにするか、楽しみながらの自己投資の機会にするかは、あなた次第なんです。

アメリカの大学教育に演劇が組み込まれている理由

私は、サラリーマン時代に副業として「舞台のお芝居の撮影・編集」をしていました。
そのため、演劇関係者の人たちと関わることが多く、自然と演劇関係のニュースなども目に入りやすい時期がありました。

そんな中で見た記事で「アメリカの大学教育には演劇が組み込まれている」という事を知りました。
別にアメリカ人が演劇好きというわけではないんです。
役者になりたくて演劇を学ぶという事ではなく、社会人になって必要になるスキルを身に付ける一環として、大学が演劇を教育のプログラムに取り入れているんです。

 

これには明確な理由があるそうです。
主に言われているのは以下のメリットです。

  • コミュニケーション能力を高める
  • 違う立場を想像できる
  • チームワークをはぐくむ

「芸術性の高い作品を作る」とか「観客を感動させる」とかいった事ではないところがポイントです。

 

アメリカでは「フリーランス」として働く人の比率が日本の倍以上あります。
これも関連している気がします。

フリーランスとして働くためには、上記の要素が、サラリーマンとして働くとき以上に、個人のスキルとして必要になってきます。
これを大学側があらかじめ用意しているのが興味深いですね。

そういえば、私の大学時代のゼミの教授が、OB会の席でこっそりと、「今の学生ははっきり言って君たちよりはるかに成績はいいけど、極端にコミュニケーション能力に欠ける人が多くて、とても心配している」と話していたことを思い出しました。

 

考えてみると、問題の原因の多くは、

  • コミュニケーションが足りない
  • 相手の立場を想像できない
  • 共同作業ができない

という人が巻き起こしている気がします。

 

もしかしたら、演劇のトレーニングが、社会問題の軽減に役立つかもしれませんね。
日本の消え入りそうな演劇も、「演劇とはこうあるべきだ」という狭い価値観に凝り固まる前に、こういう社会貢献の視点からアプローチすれば生き残る道もあったように思うんですが。

映像の創作はこれに役立つ

創作活動は、「単純に楽しい」ということが最大のメリットではありますが、楽しめない人も多くいます。
それは、労働者の95%以上がサラリーマンである日本において、圧倒的に多くの人が「作業は得意だけど、仕事は苦手」という状況にあることと関係していると思います。

 

「作業」というのは、簡単に言うと、決められたルールやマニュアルに従って行うものです。
会社で行うほとんどの「仕事」は実はこの「作業」です。

 

それに対して「仕事」というのは、目的を持って行なう行動です。そのためにルールやマニュアルを作る側の行動なので、受け身の姿勢では成り立たないんです。

 

もちろん、どちらの要素も必要ですが、「指示を受けて作業する」という事しかしてきていない人は、「自分で考えて仕事をする」という事に全く慣れていないんです。

 

一人で行う創作活動の中にも、「仕事」と「作業」の要素があります。
創作を楽しめない人の多くは、

  • 頭を使って考えることが嫌い
  • 自分で考えて選択することに慣れていない

という特徴があります。

 

そのため、「仕事」の部分がお膳立てされていて、「作業」だけ楽しめる創作を選ぶケースも多いと思います。
創作の趣味を促す商品などでは、こういう形にパッケージされたものも多くあります。
分かりやすい例で言えば、材料が全てそろっていて、説明書通りに組み立てれば完成する「手芸キット」のようなものです。

 

もちろんそれでも良いですし、特に創作をまず体験する、という段階では大いにキットなどを活用すると良いと思います。

「頭を使って考えることが嫌い」という方は仕方ありませんが、もしあなたが「自分で考えて選択することに慣れていない」ということであれば、徐々に次の段階に進んではいかがでしょうか。
「仕事」の部分に挑戦して「何をどう作るか考える」という、面倒なことから丸ごと楽しむ、ということです。
面倒な分、達成感は大きくなります。

 

創作の中でも、映画作りには複合的な要素が非常に多いので、自然とさまざまなスキルを養うことになります。

例えば以下のスキル。

  • 問題解決力
  • 創造力
  • 協働力

私が考える最も身につくスキルは「問題解決力」です。

 

映画を作ろうとすると、次から次に問題が発生します。
それを片っ端から自分で判断して、行動を決断することで前に進まないと完成しないんですね。
実力が無いのに理想だけ高い状態だと、最悪の状況を招きます。

そんな中で「何とか作品を完成させるんだ」という執念を捨てない事で、問題解決力は身についていくはずです。

 

「創造力」はアイデアです。
特に、制約が多い中で理想の映像に近付けようと思えば、「逆転の発想」のようなアイデアが有効です。
「逆転の発想」は創作を続けていると、もう当たり前の選択肢として考える習慣になります。
馬鹿正直に撮ろうとしても難しい場面を、特撮を使って成り立たせるなどというのもその一つです。
この発想のスキルは実生活やビジネスにおいても有効だと思いませんか?

 

「協働力」は私にとっては苦手な分野ですが、一人で完結する活動を除けば、創作には他人とのチームワークが不可欠です。
当然のこととして、チームワークには考えを相手に伝える力が必要ですし、気持ちよく共同作業を進めるための「気遣い」のようなスキルも必要です。
この要素も、創作活動以外で役に立つ体験になるでしょう。

 

改めて考えてみると、趣味の創作はけっして「暇つぶし」に留まらない、楽しみながらいろいろなスキルを身に付けられる有意義な活動と分かると思います。

 

アメリカの大学で、ビジネススキル・対人関係スキルを身に付けるために演劇を学ぶのと同様に、副次的なスキルを身に付けるために「映画作り」を学ぶ場が、今後、増えていくかもしれません。

 

私の知り合いが主催している映画作りのワークショップも、「一度映画を作ってみたかった」という人が参加して楽しんでいますが、主催のオリカワさんも「問題解決能力」や「チームワーク」を意識されているようです。

 

最新のワークショップの情報が入りましたので、転記しておきます。
興味がおありの方は是非、検討してみてください。

こちらは私・升田とオリカワさんが講師をします。小・中学生向けの教室です。

2023年8月27日(日)
『スマホで撮ろう!こども特撮教室』
https://cul.7cn.co.jp/programs/program_954282.html

下記は、定番の好評ワークショップです。(次回の募集はまだ始まってません)

大人の映画学校
https://eigaschool.com/

参考になれば幸いです。

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ただ、実際の映画製作には多くの工程があり、全てのノウハウを一人で身に付けて実践しようとすると大きな労力と長い時間が必要になります。

 

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