AIで映像制作のコストを劇的に減らす!補助的に使える簡単なアイデアとその効果
人工知能の活用で作家は不要になる?
ChatGPTをはじめ、AIの話題が出ない日がありません。
マスコミが取り上げるのは常に大衆に受けそうな「ネガティブな部分」ですから、AIのマイナス面を中心に報道されている筈です。
当然、権利等の問題も新しく出てくるでしょうし、小中学生の作文の課題をAIを使って済ませてしまっては、課題の目的を果たせないので、もちろん適材適所に活用すべきだとは思います。
創作の分野でも議論は出てくるでしょう。
恐らく、小説の応募規定には「AIを使っていない事」などが入るでしょうし、AIを活用した作品が直木賞の候補になった場合など、かなり揉めることが予想されます。
ただ、正直、「面白い作品で楽しみたい」と思っている観客にとってみれば、本人が手書きで書こうが、ゴーストライターが書こうが、翻訳時に改変されていようが、AIを利用して書いていようが、あまり関係ないというのが私の感想です。
当然、AIを多く活用しているとなれば、
- この作家の構成力は凄いな
- この作家の文体は魅力的だな
というような、作家への尊敬の念は薄れるでしょう。
それによって読む気がしなくなるのであれば、読まなければいいだけのことです。
私の場合は、もし「こういう小説が読みたかった!」という作品を見つけて、それがAIで書かれていたとしたら、好んでAIを使って書かれた小説を読むと思います。
実際のところは、AIを上手く使う「指示出し」の部分が肝心なので、作家性は充分に発揮されるのではないかと考えています。
画像ソフトのフォトショップを使い倒す
映像製作の分野でも、AIはどんどん活用していくべきだと思います。
お馴染みの「そんなのは映画じゃないよ」という意見もあるでしょうが、映画を「楽しい見世物」と捉えている私は、特撮の活用と同様、AIも道具として大いに活用していきたいと考えています。
私は映画の編集作業に、アドビ社のプレミアプロを使っているのですが、この動画編集ソフトにも続々とAI機能が追加されていくようです。
正直、私も新しいその情報に全く付いていけていません。
ですから、高いスペックのパソコンを使った上で、プレミアプロの最新機能について常に勉強していれば、より便利な使い方はできるのだと思いますが、私は基本的には、画像編集ソフトの「フォトショップ」と組み合わせるだけで、必要最低限の映像加工ができると考えています。
実践的な補正例
ここでは、AIなどが使えるようになるずっと前から、私が活用していた、フォトショップを使った補正例を紹介します。
「映像に映り込んでいる余計なものを消したい」というときのやり方です。
この作業にAI機能を加えれば、さらに楽にきれいに加工ができます。
動かない「画像」であれば、フォトショップのAI機能を使って簡単に「余計なもの」を消すことが出来ます。
これはCMなどでもよく紹介されていますから、見たことがある人も多いでしょう。
ここでいう「消す」というのは、実はなかなか難しいことをしています。
実際にフォトショップで消しゴムツールなどを使って、画像の中の「余計なもの」を消してみれば分かりますが、「余計なもの」と一緒に背景も消えてしまいます。
つまり、消しただけでは消えているようには見えないんです。
実際には「余計なものを消す」というのは、その対象が消えて見えるように「背景映像を作る」ということなんです。
ちょうど、「余計なもの」の上から、絵の具を使って塗りつぶす感覚です。
これには、いわゆる絵心とそれなりの技術が必要になります。
フォトショップのAI機能は、「絵心」と「技術」が無くても、簡単な操作でこれを実行してくれるわけです。
動画ではもう一手間必要になります。
とても実践的で、撮影時間を短縮できる方法なので、是非、ご自身でも実験して使えるようになっておくと良いと思います。
ここで紹介する事例を活用するには、以下の条件を満たしている必要があります。
- 固定カメラで撮影されていること
- 消したい対象が人物などの動く対象と重なっていないこと
- 消したい対象の背景部分が動いていないこと(波のある水面や風になびく草など)
この条件を満たしていれば、比較的簡単、短時間で加工ができます。
以下、フリー素材を使って手順を説明します。
画面右側にある構造物と信号機を消してみます。
1:静止画書き出し
まずは、動画編集ソフトに読み込んだ動画から、静止画を1枚書き出します。
Jpeg形式などで構いません。
2:静止画を加工
静止画をフォトショップで開き、「余計なもの」だけを選択して、「コンテンツに応じた塗りつぶし」を使って塗りつぶす。
3:動画編集ソフトに加工済みの静止画を読み込む
4:静止画をトリミングして、動画に貼るシールを作る
トリミングはプレミアプロだけでなく、多くの動画編集ソフトにある機能です。
今回の場合、構造物と信号機を消したいので、該当部分のシールをトリミングで作ります。
5:動画の上に、シールを配置する
元の動画の上にシールを配置します。これで構造物と信号機の無い動画になりました。
一連の作業を動画でお見せします。作業自体は簡単なことが分かると思います。
例えば、撮影時、画面の隅に誰かの車が止まっていて邪魔なとき、その車を消す前提で撮影します。
そうすると、車がいなくなるまで待ったり、別の場所を探して移動したりせずに済むので、撮影時間の大幅な短縮に繋がります。
また、同時録音用のマイクは、出来るだけ顔に近付けたいのですが、カメラから見えないように配置するのが難しかったりします。
初めから「消す」前提であれば、マイクなどが映り込んでも構わないので、試行錯誤したりする時間が減らせるうえ、クリアな音でセリフを録音できます。
他にも、フォトショップを活用したAI機能の活用例はあります。
私が提唱している「升田式スーパープリヴィズ法」などは、まさに相性が抜群の手法と言えますが、長くなるのでまた別の記事で紹介します。
参考になれば幸いです。
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