創作活動を共同作業にするとどうなる?メリットとデメリットを徹底解説


創作活動を一人で行うのと共同作業で行うのでは、どのような違いがあるのか、メリットとデメリットを比較してお伝えします。

個人作業としての創作

ほとんどの創作活動は一人の個人が行うのが特徴と言えます。

例えば「絵画」、「作曲」、「写真」、「小説」などを思い浮かべてください。

創作の「タネ」の部分から全て、一人の創作者がコツコツと作業を進めて仕上げます。

「一人で始められて一人で完結させられる」というのが、趣味としての創作のメリットの一つであることは間違いありません。

 

創作に関わる楽しい要素は全て体験出来て、完成品に対する賞賛も独り占め出来ます。

創作対象の規模が小さい場合や、創作者本人の生産力が強い場合は何の問題もありません。

作品が完成するからです。

 

そもそも何のために創作活動をするのかと言えば、達成感や満足感を味わうためだと思います。

創作活動の途中も、「なかなか良いぞ」という満足感を味わいながら作業を進める感覚は、ものづくりが好きな人であれば、子供の頃から味わっている筈です。

 

ただ、個人の創作活動が高じて、そこそこ規模が大きい作品を作ろうとし始めたり、「映画」のような全く毛色の違う技術を組み合わせる必要が出てきた場合は、途端に新しい問題が発生します。

それは「完成させられない」という状況です。

 

個人での創作は完全に自分のペースで行えますが、逆に言うと、ほんの少しモチベーションが下がっただけで活動が完全にストップして、そのまま創作が頓挫する、という危険があるんです。

 

「完成させられなくても良い。経過を楽しめるから」という意見もあるでしょう。

確かに、創作活動の途中でも充分な楽しさは味わえます。

でも、「また最後まで仕上げられなかった」という残念な気持ち、「自分はダメだなあ」というネガティブな感情もセットになってしまうんです。

趣味の創作活動が原因で自己肯定感を落としてしまっては何にもなりません。

作品を完成させて人に見せ、褒められるということで得られる達成感・満足感を是非、味わいましょう。

そして、その満足感は創作活動の途中の満足感と同じか、それ以上に大きいんです。

「承認欲求」はバカに出来ません。

 

承認欲求は最近では多くの場合、マイナスイメージで語られることがあります。

YouTubeで「目立ちたかった」という理由で自分の犯罪行為を公開したり、危険な撮影をしようとして命を落としたりする事例はよく紹介されていますが、彼らの行動理由は「承認欲求を満たしたい」というものの筈です。

それくらい「承認欲求」にはパワーがあるんです。

これをプラスに活かせれば、とても楽しい人生が送れると、私は思っています。

 

結論としては「作品は完成させましょう!」ということです。

共同作業のメリット・デメリット

創作活動における「作品」を完成させるために今回提案するのは「共同作業」です。

初めにも書いたように、多くの創作活動は一人で行います。

共同作業に向いていない面も確かにあります。

 

風景画を共同作業で完成させても、イメージが統一できなくて誰にとっても不満だけの作品になるでしょう。

作曲を「Aメロ」「Bメロ」「サビ」のパートで手分けして譜面を書いても、まともな曲が出来るとは思えません。

でもそれは、分担の仕方が間違っています。

  • 主旋律の作曲
  • 主旋律に応じた編曲

を別人が分担して作品にすることは、ごく普通に行なわれています。

 

こういう風に、実現可能な分担によって、創作を共同作業にする工夫を考えられないでしょうか?

 

創作を共同作業で行った場合、デメリットを一つにまとめられます。

「発案者のイメージが必ずしも作品に反映されない」

という事です。

これは、価値観も技術レベルもバラバラな他人同士が協力する以上、避けては通れません。

プロの映画製作の現場でも、トラブルのほとんどはここに原因があります。

 

でも、改めて考えてみてください。

ほんの一部の天才でないかぎり、発案者のイメージ通りのものを再現したからと言って、最高の創作物になるとは限らないのではないでしょうか?

 

私が考える、創作を共同作業で行った場合のメリットは、

  • 妥協ができる
  • 愛着が薄れる
  • 完成が早まる

ということです。

「妥協」や「愛着が薄れる」ということをメリットに挙げたのがおかしいと思われるかもしれませんが、書き間違いではありません。

普段の自分の創作活動を反省したときに、過度のこだわりや愛着が作品にとってちっともプラスには働かなくて、むしろマイナス要因になることを実感しているからです。

「良い具合に妥協」して「良い具合に愛着を薄れさせ」た方が、早く形になるので、仮にそれが納得がいかないものだったとしても、やり直しの作業が早く始められるんです。

つまり、完成が早まります。

こだわりばかり強いと、「せっかくだから少しでもいいものにしよう」という意識が働いて、創作作業は全然進まなくなります。

そして頑張って進めても「こんなのじゃダメだ」と感じてさらに手が止まるという最悪のループに入ります。

大抵の場合は実力不足が原因なので、作業を寝かせても何の解決にもならないんです。

実力を高めるには、どうにもならないところは妥協して、作品を完成させることです。

 

具体的な共同作業のための分業は、作品をパートに分けるのではなくて、作業の種類で分けるのが鉄則です。

映画で言えば、

  • あらすじを考えるパート
  • シナリオに変換するパート
  • 映像を設計するパート
  • 映像化するパート
  • 編集して調整するパート

という具合です。

 

この分担は、小説のような典型的な個人創作でもとても有効だと思います。

  • あらすじを考えるパート
  • シナリオに変換するパート
  • 魅力的な文章にまとめるパート

はそれぞれ、全く違う種類の作業で、「ここだけ得意」という人もいるからです。

 

上流工程に携わった人は、別の人が作業を引き継いでいくことで、自分のイメージとは違う作品になっていくと感じるでしょう。

それをマイナスと捉えるのではなく、「なるほどこういう表現にするとこういうイメージになるのか」というように、イメージの食い違いを楽しんで欲しいんです。

この楽しさを発見できるかどうかが、創作を共同作業に出来るかどうかの関門だと思います。

大事なのは「完成後」の行動

創作活動の最大の満足は、発表と評価によって得られます。

もちろん、評価を重視するあまり、作りたくないものを作っては本末転倒ですが、特に、共同作業で作り出したものに関しては、広く公開して良い評価を集めることが、協力してくれた仲間の労をねぎらうことにもなります。

 

多くの創作者は、作品が完成するとそれで終わりと思ってしまい、「作りっぱなし」にしてしまいます。

映画で言うと上映会やイベントなどを企画して、作品をコミュニケーションの「ツール」にすべきなんです。

この作業が苦手なのであれば、完成後の活用に関する活動を別の人に分担することも有効です。

昔から文化祭などの企画を実行するのが好きで得意、という仲間を確保しておくと理想的だと思います。

参考になれば幸いです。

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