自主映画をビデオマガジンとして販売

「趣味の創作だから」という言い訳

大前提として、自分自身だけが楽しむ趣味の世界は、大いに結構だと思います。

普段、お金を稼ぐために働いているのですから、趣味の活動には損得勘定を入れたくない、という事もあるでしょう。

 

ただ、創作活動の場合、「鑑賞者」が発生します。

もちろん、カフカのように、誰にも見せずに小説を書いても良いんですが、創作が高じてくると「人を楽しませたい」という欲求が出てくるのは自然な流れです。

 

そこで、一つの壁になるのが、「お金をとって見せるかどうか」です。

 

概ね、創作をする人は、「お金に執着がないことが美徳」という感覚があります。

「お金を取ると趣味ではなくなってしまう」という言い方をする人もいます。一理はあります。

 

しかし、「創作を人に見せたい」というレベルにまで趣味が高じている場合、いくつか問題があります。

その一つは、「お金を取る訳ではないから」という条件が、創作レベルを引き下げてしまう点です。

 

人に見せるだけで、創作のレベルは上がります。

ただ、観客が「ここが未熟だな」と感じていたとしても、「お金を取る訳ではないから」という理由で、「良く出来ているよ」と褒めることしか出来ない状況になります。

作家側も「お金を取る訳ではないから」、「シビアな批判はしないでね」という姿勢に、無意識になりがちです。

この、「やさしい状況」が、創作レベルの向上を邪魔します。

もっと良いものを作って、もっと大きな満足を手に入れる可能性を摘んでしまいます。

せっかく作った創作物は埋もれさせない

もう一つの問題は、単純に活動資金についてです。

 

創作活動の種類にもよりますが、趣味にもお金が掛かります。

その活動が好きで、ずっと続けたいと思っても、資金問題で続けられない事が多々あります。

演劇活動などは最たるものだと思います。

「金で魂を売らない」という崇高な思想を曲解して、活動停止する人がほとんどではないでしょうか。

 

避けるべきは、「売れるようにするために、作品を改悪すること」だけではないですか?

作りたいものを作って、出来ればいくらかのお金を稼ぐ。それを活動資金の元手にする。

これは「卑しい金儲け」ではありません。

 

「売る」という状況は、別の効果ももたらします。

例えば映画。

無料で公開するより、有料にした方が、しっかりと見てもらえる傾向が強くあります。

 

私も以前は、趣味の映画ということで、無料でDVDを作って知り合いに配ったりしていました。

しかし、顔を合わせるたびに、「あ、忙しくてまだ見てないんだ」という人がどれだけ多い事か。

 

それに対して、思い切って販売したところ、興味を持って買ってくれた人の中には、わざわざ感想を送ってくれたりする人も現れました。

こちらがお金をもらっているのに、「ありがとう」と言って喜んで買ってくれる人がいることに驚きました。

 

もちろん、買った人が満足出来ず、批判を受けることもあるでしょう。一人ひとり、価値観が違いますから、それは避けられません。

でも、誰からも「良く出来てると思うよ」というお世辞を言われるだけで、満足できますか?

 

有料で販売して、活動資金にした方が、あなたは創作物をより多く生み出すことになりませんか?

メディアの違いは入口の違い

ここで、発信の方法について考えてみます。

正直、私も自分自身の創作物を使っての実験段階です。「これが正解」という答えが用意できている訳ではありません。

 

ヒントの1つは、「メディアミックス」にあると考えています。

 

メディアミックスと言えば、かつての角川文庫と角川映画が印象的です。

映画と原作小説の同時キャンペーンによって、どちらのメディアの売上も大きく伸ばしました。

例えば、私の趣味でもある「映画製作」。

商業映画と違って、自主映画のほとんどは劇場公開などされませんから、形態は異なります。

「本編」のDVDを販売すると言っても、そうそう売れるものではありません。

そこで考えたのが、「ビデオマガジン」という形態です。

 

完成物としての「本編」はもちろん存在しますが、映画を作るには、脚本を用意します。

また、原作となった自作小説がある場合もあります。映画を作った後、小説版を書く事もあります。

「映画」について言えば、本編以上に人気があるコンテンツとして、「メイキング」があります。

それらを、1冊の電子書籍にまとめてみる、というアイデアです。

 

ご存知のように、電子書籍は、スマホやPCで読む場合、インターネット上のデータとリンクで繋げられます。

本を読みつつ、リンクで結ばれた動画を楽しむことが出来るのが特徴です。

ちょうど、「DVD付きのビデオマガジン」と同じようなものが作りやすいのです。

 

 

作家は発信に対してもっと貪欲になれるはず

チームウェンズデイ探検シリーズ1「中国神農架 幻の湖に謎の淡水性シーラカンスを追え!!」

↓↓↓予告編はこちらから↓↓↓

このストーリーの元にしたのは、自身で執筆した幻想小説です。
その短編小説「デボンの泉」は一枚の古い水墨画を発見するところから始まります。そこに描かれていたのがシーラカンスそっくりの魚であったことから、中国の奥地に古生代・デボン紀のシーラカンスが生き残っているのではないか、と考えた主人公が旅をする話です。

「チーム・ウェンズデイ探検シリーズ 第1弾」は、「その小説自体が事実を元にした物語かもしれない」という設定で探検に向かうというストーリーです。

20数年前の学生時代に自主映画を撮り始めた原点に戻って、性懲りも無く探検ビデオを作っている、という滑稽さも感じるでしょうが、多くの人に「相変わらず本気で遊んでいる。羨ましい」と言ってもらえて、それだけでも作った甲斐があります。そして、手前味噌ではありますが、アマチュア探検ビデオでは難易度が高いとされるナレーションのクオリティーには自信がある作品です。「こういう探検ビデオが作りたかった」という夢がひとつ叶った作品です。

監督:升田規裕
出演:升田規裕 横田吉彦 東享司
ナレーション:増田知也
音楽:栗木健
本編:約22分

1990年。往年の川口浩探検隊にオリジナルの設定を施し、自主制作映画として実現させた「水晶髑髏伝説」。その設定を踏襲し、新たな「チームウェンズデイ」の探検シリーズがスタートした。
世界の秘境を舞台に、謎を追って繰り広げられる数々の冒険。
オリジナル音楽に栗木健、ナレーションに早くも田中信夫の再来と評判の増田知也を迎え、川口浩探検隊のDNAを受け継ぐ正統派企画。

ストーリー)
チームウェンズデイは謎の淡水性シーラカンスの生存を確信し、中国湖北省・神農架(しんのうか)の密林地帯へ向かった。数十年前にこの土地を訪れた探検家が書き残した、シーラカンス目撃の記録を元に探検を進める一行は、途中、ハイイロオオカミの襲撃に遭いつつも伝説の湖に辿り着く。だが、そこには思わぬ事態が待ち受けていた。

 

「原案小説」「メイキング」「本編映像」がセットになった電子書籍を、amazon kindleから発売中。

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創作活動としての映画製作は最高に楽しいものです。

昔はネックだった撮影・編集環境も、現代では簡単に手に入ります。スマホをお持ちの時点で最低限の環境はすでに揃っているとも言えます。

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