417_創作のある日常を作るための習慣化

「時間が出来たらやろう」では後悔する

私は普段から「趣味を持ちましょう」ということを提案していて、「今は趣味が無いなあ」という人には「創作の趣味はどうですか?」と勧めています。

勧める理由は簡単で、自分自身が創作の趣味を持つ事で楽しい思いをしたり、救われたりしてきて、今でもその趣味のおかげで新しい知り合いも出来たりという具合に「良い思い」をしているからなんです。

もし、スポーツの趣味を持っていれば、「スポーツは良いですよ」と言っていると思います。

 

いずれにしても、趣味を持つ最大のメリットは、自分の中に多面性を確保することだろうと考えます。

元々、人には立場によって色々な顔がありますが、それは多い方が「安全」なのではないでしょうか?

 

たとえとして出せば、野球の大谷翔平選手。

投手と打者の二刀流の活躍で大人気ですが、2024年は腕の手術の影響で、投手としては完全休業しています。

普通の投手であれば、1年間を棒に振るところですが、打者に専念することでホームランタイトルを取る活躍が出来ている訳です。

これは多面性を持つ事による安全性です。

 

現役世代の多くの人は、朝から晩まで忙しく仕事をしていますから、起きている時間のほとんどは「仕事人」としての顔でいるわけです。

将来的にも安定が保証されている仕事で、しかもその仕事が楽しくてしょうがないのであれば、趣味は必要ないかもしれません。

でも、そうでないのであれば、何か1つでも「別の顔」を持たないと、煮詰まってしまう危険がありませんか?

「仕事人」の他に「趣味人」としての顔があると、とても気が楽になるんです。

私もサラリーマン時代、終電で帰宅する生活もしていましたが「まあ、自分には趣味もあるから」というよりどころのおかげで、かなり救われました。

 

そうは言っても毎日忙しくしていて、趣味活動なんかする時間が無い、という人がほとんどかもしれません。

確かに疲れて帰ってきて、そこから趣味の時間が取れるか?と想像すると絶望的になるでしょう。

でも、結論から言うと、同じ状況でもやる人はやるんです。

 

どんな分野でも、やる人とやらない人がいます。

やらない人というのは、「なぜ自分がやれないのか」という理由探しが得意です。

大抵は「忙しいからできない」という理由が上がります。

でも、やる人(出来る人)は暇だから出来るのでしょうか?

 

概ね、暇な人は驚くほど行動力がありません。

よく、「急ぎの仕事は忙しい人に頼め」と言いますが、これは本当で、暇な人に「時間があるだろうから」と言って仕事を頼んでも、なかなか手を付けなかったり、いつまでたっても終わらなかったりすることは、ご存じだと思います。

行動力がある人は、忙しい中でも時間を作ることが出来るんです。

けっして暇だから出来るわけではない。

しかも、やってみればわかりますが、「忙しい中で別のことをやるために睡眠時間を削らなければいけない」というほどのことはほとんどありません。

 

隙間時間だけでも、かなりのことが出来ることを経験すると、ちょっと嬉しくなりますよ。

例えば私はサラリーマン時代、満員の通勤電車の中で、自分の自主映画の脚本の元を書いていました。

当時はスマホなどありませんから、メモ帳にこまごまとした字で書いていて、基本的に電車の中は退屈ですから集中できて捗るんです。

 

これがもし、「時間が出来たら原稿用紙に綺麗に書こう」などと思っていたら、一切書けなかったと思うんです。

時間はそうそう出来ませんし、かなり用意周到でない限り、ふいに時間が空いたとしても無駄にしてしまう筈なんです。

「定年になって時間が出来たらやる」と言って、実際に活発な活動を始めた人は、少なくとも私の周りにはいません。

人の事は言えなくて「時間が出来たらやろう」と思って軽く10年以上も放置している事が、私の中にもいくつもあります。

「時間は作るものだ」と考えた方が良さそうです。

大人にこそ必要な時間割

小学生のころから、私たちは「時間割」というものに馴染んでいました。

必要な知識を身に付けるための学習時間をつくり、しかも、集中力が持続するように短時間で別の科目に移る。

運動機能を養うために体育の時間も用意するという仕組みの中で、学生時代を過ごしてきたはずです。

 

その後、社会人になると多くの人は「会社の中で労働力を売り報酬を得る」という仕事中心の生活になります。

仕事は効率化しようとすると、それぞれの人は特定の作業に従事しますから、朝から晩まで1つの業務をこなすことが多くなりがちです。

 

私は長年、制作系の会社で働いていたので、まさにそういう形で作業をしていました。

すると、例えば今年一年を振り返ったときに、驚くほど「記憶」が無いんです。

基本的には同じような作業の繰り返しをしていますから、記憶の圧縮率が高い上に、「今年1年で何も成長していない」といつも感じていました。

歳は確実にとるわけですから、成長がなければ現状維持でなく少しずつ劣化しているわけです。

 

私は運動の習慣が元々なくて、体力低下も自覚していたので、「体育の時間」と称して仕事帰りにスポーツジムに通っていた時期もあります。

そこで痛感したのは「時間割の大切さ」なんです。

 

基本的に私も行動力が無い方ですが、時間割として「体育の時間」を設定すると、「その時間だから」という理由で行動できることを知りました。

今は会社勤めをしていないので、体育の時間は毎日のウォーキングです。

ウォーキングをしながら音声化した電子書籍の音源を聞くことで、ちょっとした勉強時間も取ったことにしています。

 

同様に「創作の時間」も時間割に入れてしまえば良いはずなんです。

先に言うと、これはまだ私も習慣化できていません。

以前に撮影だけして編集作業がストップしている自主映画がいくつもあって、少しずつでも作業を進めなければ、と思っているんですが、滞っています。

でもそれは忙しいからではないことは知っています。

暇つぶしに面白いとも思っていないゲームで時間を潰したり、ネットの記事を意味もなく見ていたりしますから。

時間は間違いなくあるんです。

 

「時間割を作って隙間時間を有効に活用しよう」というと、「そうまでして時間に縛られたくないよ。空いた時間はのんびりダラダラ過ごしたいよ」というのであれば、それも良いでしょう。

要は自分自身の満足感の問題です。

私は「また時間を無駄にして歳だけとっちゃったよ~」といつも後悔していて、空いた時間に色々と詰め込んで、例えば創作物の一つでも完成させると「自分でもやれば出来るんだなあ」と嬉しく思う、という実体験をしているので、出来るだけ満足感のある生活を送りたいと思っているだけです。

 

もし、賛同してくれる人があれば、情報共有をして楽しい日常を作りましょうという話です。

恐らく、「勉強時間」「体育の時間」「創作の時間」というような時間割を一週間の中に割り込ませることが有効なんだと思います。

まとまった時間の確保は目指さない

時間割で習慣を作る時に気を付けることは、とにかく規模を小さくすることだと思います。

「どうせやるなら」という高望みが結果をゼロにします。

「水曜日に1時間の時間を取る」というのは、多分、規模が大きすぎます。

時間にしてほんの10分くらいを想定すれば丁度いいと思います。

 

例えば創作の時間として「脚本の書き方の本を読む」とか、「実際に書いてみる」とかの行動を考えると、ついまとまった時間が欲しくなります。

でも、最低1時間は欲しいな、と思うと、逆に「今は1時間が取れないからやめておこう」という、やらない言い訳になっちゃうんです。

 

「10分間でもいい」と思えば、昼食後、ちょうどその時間が取れたりしませんか?

電車の中でもそれくらいの時間は作れますよ。

そして、わずか10分でもいいから何かやったら「やった」という結果を記録することです。

これは実は脳にとっては大きな報酬なので、大事なことなんです。

手帳にあらかじめ「創作」などと予定を書いておいて、10分でも行動したら完了の意味で丸で囲むようにします。

すると、手帳を開くたびに、仕事の作業以外に自分が色々と活動している事が目に見えるので、モチベーションがすごく上がるんです。

やってみると分かりますが、ほんの数分のつもりでも始めて見れば、後からやる気が出てきて時間が許せば続きの作業をすることになります。

人はやる気が出たから行動するのではなくて、行動することでやる気が出ると言いますが、まさにそれを実感できます。

外に向けた発信がモチベーションに繋がる

習慣化に有効なことは、発信です。

私も毎週、ほとんど読まれてもいないメルマガを書いていますが、これも外に向けて発信しているから続いている事です。

ノートに書くだけでは恐らく何年も続いてはいないと思います。

 

発信の目的は自己認識と思った方がいいです。

誰かから良い反応が欲しいなどと思ってしまうと、反応が無い時にやる気が失せてしまいますから、あくまでも「自分でこれをやった」という記録と確認、せいぜいごく親しい知り合いに近況報告・進捗報告をする感覚で発信することが有効です。

今後の予定や構想を発信すると、自分でもそれがリアルに感じられて実現しやすくなると思います。

 

今回は長々と「創作の趣味を持って習慣化させる工夫」のような話をしました。

そもそも趣味って何のためにするの?と考えると、大げさな言い方をすれば「楽しい人生を送るための材料」なんです。

ということは、仕事をすることと同じ目的なんですね。

大抵の場合、仕事はお金を稼ぐために行います。

お金を稼ぐ目的は生活のためで、お金もまた「楽しい人生を送るための材料」なんです。

 

そう考えると、本来は趣味の活動も、収入源の確保と同等に、積極的に生活に組み込む工夫をする価値があるものだと思いませんか?

 

参考になれば幸いです。

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