特撮映画としての「トレマーズ」
私が好きな「クリーチャー映画」というジャンルがあります。
「B級モンスター映画」というような言い方をされることもありますが、怪物が出てきて物語が展開されるというような、特撮がたくさん使われているような映画が私は子供の頃から好きなんです。
しかし、正直言って、映画として面白いかどうかというと、かなり微妙な作品は多いんです。
そんな中で、これは間違いないと自信を持って薦められる作品が2本あって、それはスティーブン・スピルバーグ監督の『ジョーズ』、それから今回紹介するロン・アンダーウッド監督の『トレマーズ』です。
『トレマーズ』は「陸のジョーズ」というような宣伝をされることもあったりして、確かにちょっと表現も似せているようなところもあるようなんですが、一言で言うと面白い映画です。
『ジョーズ』という1970年代の映画、これは公開された時、ある意味で批判されたらしいんです。
低予算のモンスター映画は、お金をかけられない中で工夫して何とか作ろうとしているのに、若いスピルバーグ監督は大金を使ってそのモンスター映画を作ってしまった。
低予算でモンスター映画を作っている人たちからすると、自分たちの職場を荒らされたというような言い方をしたぐらい悔しかったらしいんです。
でも、よく勘違いされることですが、映画の面白さと製作費は比例しないんです。
「制作費が少ないから、つまらなくてもしょうがないよね」というようなことを言ったりしますが、これは基本的に間違いです。
例えば制作費が少ないから登場人物が少ない、これは当然あり得ます。
人数が少ないほうが人件費が少なく済みますからね。
あるいは、町の中で大掛かりな撮影をすると大金がかかってしまう。
だから舞台を砂漠にする、これも低予算にする工夫の一つです。
そういう影響はあるんですけれども、基本的に映画が面白いかつまらないかということと、予算は関係がないと私は思っています。
厳密に言うと、予算が多い映画は、脚本をより面白くするために時間をかけて書き直せるのに対して、予算がない映画は「この辺で手を打ってしまおう」というふうに見切り発車をしてしまうということはあるかもしれませんが、それにしても「撮影にかかる膨大なコスト」と、例えば「優秀なシナリオライターを雇ってより面白くするという工夫をするための追加料金」、これは比べ物にならないくらいです。
私は、つまらないかどうかというのはほとんど全て脚本にかかっていると思っています。
ですから、お金がないからつまらなくなったということはほぼあり得ないと言えるんですね。
そして、この『ジョーズ』と並んでおすすめの作品が『トレマーズ』です。『トレマーズ』は1990年のアメリカ映画で、監督をしたロン・アンダーウッドという人はこれが監督デビュー作。
物語は、アメリカの砂漠にある小さな町が舞台になっています。
人口14人という看板が立っているような小さな町で、ここで便利屋をやっている二人組、これが主人公なんですね。
この二人の男、バルとアールをケビン・ベーコンとフレッド・ウォードが演じています。
この二人の掛け合いが楽しいんです。
二人とも基本的にお調子者で冗談ばかり言っている。
そして、いがみ合いながら、仕事を町の住人からもらって、汚れ仕事や面倒くさい仕事をして日銭を稼いでいるような生活をしています。
ある時、砂漠の真ん中で大学院の学生の女の子が地震の調査をしているのに遭遇します。
どうも不思議な振動があるんです。
「ここで石油を掘削していたり、石炭を掘っている人はいないか」と尋ねるのですが、「そんな奴はいないよ」と笑っています。
やがてこの振動の原因が、地中に住む怪物が動くことによって生じていることがわかってくるんです。
バルとアールはより良い仕事を求めて、大きな町に行こうと荷造りをして、トラックで走り出しますが、その道すがら、知り合いの不審な死体を発見します。
警察を呼ぼうとしますが、電話も繋がらない。
仕方なく車で警察を呼びに行こうとしますが、その怪物のせいで、崖の横にある街を出る唯一の道が塞がれてしまって、町にも行けない状態になっている事を知ります。
仕方なくこの小さな町に戻ってきて、さあどうしようということで怪物と対決する話になるんですが、この映画は非常にカラーが明るいんです。
監督は、映像のこだわりとして「エイリアンにはしたくなかった」と言っています。
1979年の名作『エイリアン』はリドリー・スコット監督が撮った映画で、リドリー・スコット監督特有なんですが、画面が暗い。
この暗さを利用して迫力を出す場面が多いんですが、それをやりたくなかったんです。
燦々と照りつける太陽の下で怪物と戦うという映像にしたかった。
そして基本的にはコメディーなんです。
バルとアールという二人の主人公が非常に明るくて、善良な人間。
口が悪くて喧嘩ばかりして、適当なことをしているようにも見えるけれど、ちゃんと仕事をして住民から慕われているし、住民の危機を放っておけず、いろいろ世話を焼いて自分たちが動き回るいい奴なんです。
だから、この映画が始まってすぐに、この人たちのことを好きになってしまうんです。
これは映画としては非常に大事なことで、「この映画はつまらないな」と思う時は、主人公に全く共感できない、好きになれないということがよくあります。
これは致命的だと思うんです。
魅力のない登場人物を使ってもなお「面白い」と思わせるような苦労をするくらいであれば、初めから魅力的な人物を登場させて、観客に好きにさせてしまったほうが早いと思います。
この『トレマーズ』はそういう意味でも非常に見ていて楽しいんです。
この映画の特撮部分というのは、地下に住んでいる怪物の描写で使われています。
『ジョーズ』と同様に、「面白いモンスター映画」というのはなかなか姿が見えないのが条件だと思います。
もちろんその姿が見えてから盛り上がるんですが、「じゃあ怪物をたくさん出してもっと長く盛り上げよう」というのが間違った判断で、その判断によって「つまらないモンスター映画」が量産されています。
面白いモンスター映画というのは基本的にあまり姿を見せないものです。
この映画でも、「怪物が迫ってきている」という描写はたくさんあります。
例えば、走って逃げていると、後ろから地面が少し盛り上がりながら追ってくる描写や、地面に立てた杭が次々と倒れていく描写です。
つまり、その杭の下を怪物が通っているから引っかけて杭が倒れるのです。このように姿を見せずに存在を示す描写が非常に多く、工夫がされています。
物語が進むと、怪物は少しずつ姿を見せます。
まず、大きな蛇のような形をした怪物の死骸が手に入ります。
実はそれは大きな本体についている触手に過ぎないことが途中から分かります。
本体は大きなアリジゴクのような顎を持った数メートルの怪物です。
このことが分かり、強敵であることが明らかになります。
このタイトルにある「トレマーズ」は、微振動、かすかな振動を示す言葉です。
地面に響く振動によって、怪物は獲物の位置を把握して襲ってきます。
地震の専門家で調査をしている学生の知識によって、そのことが分かります。
地面を掘って進んでくるので、岩の上にいると安全です。
だから砂漠の中に点在している岩の山のような丘に逃げると、安全地帯です。
地面に降りるとすぐに襲われるため、落ちないようにしながら移動します。
この光景は完全に子供のごっこ遊びのようです。
この俳優たち、大の大人である彼らが岩の上に立って「落ちると危ないぞ」と言いながら、棒高跳びの要領で隣の岩に飛び移る様子は、本人たちは大真面目に命がけでやっているのですが、それを傍から見ると非常に滑稽で楽しそうに見えます。
これが優れたコメディ映画の特徴です。
出ている人たちは絶対にふざけず、真剣です。
後半になると怪物が登場する場面が増えます。
デザインも独特で、よくできているんです。
この映画のDVDには、メイキング映像が特典として収録されており、機械仕掛けの怪物やミニチュアセットの制作過程が見られます。
実物大のセットやミニチュアセットを作るスタッフの苦労も紹介されており、特に椅子の再現には多大な手間がかかっていることが分かります。
機械仕掛けの大きな怪物も作っていますが、その大きな怪物はどうしても動きが良くないんです。
例えば、日本の怪獣映画でも非常に良くできた場面がありますが、大抵の場合、怪獣は人が入るような大きな造形物を作り、その怪獣が出る場面をその模型だけで撮ろうとすることが多いんです。
大きな怪物は迫力もあって良い場面が撮れるのですが、動きを重視する時には不利なことも多いんです。
この映画では、地下室にいる登場人物を襲って、壁を突き破って現れる、実物大の大きな怪物が登場します。
実物大の大きな怪物は迫力はありますが、それが暴れるショットは動きに難があるため、わざわざ4分の1ぐらいのミニチュアを別に作り、その地下室も4分の1で作って、片手を怪物の中に入れて、自由に暴れまわる動きを表現する工夫をしています。
この場面はメイキングを見て初めて分かる部分も多く、非常に滑らかで、どこがミニチュアでどこが実物大の怪物なのか全く分からない出来栄えです。
メイキングを見ていると、実物大のセットを作るスタッフとミニチュアセットを作るスタッフは違うことが分かります。
実物大のセットを作るスタッフは、例えば様々な猟銃をたくさん揃えたり、銃弾が入っている箱を散らかしたり、カップを置いたり、小道具を集めてセットを作ります。
これは、実物を集めれば済みますから、ある意味で楽なんです。
一方、ミニチュアのスタッフはそれを全て4分の1のサイズで再現しなければなりません。
特に大変なのは椅子だそうです。
実物大のセットで何気なく使われている椅子を、同じ形で4分の1に作るのは面倒な作業です。
スタッフは丁寧に、ミニチュアに見えないほど精巧に椅子を作りました。
このミニチュアのスタッフは、一生懸命作った椅子が撮影で壊されるのを避けたいと考えて、監督に頼みました。
その結果、椅子は怪物に壊されずに画面の端に置いておくという設定になったそうです。
このような事情を知ると、映画の見方も変わり一層面白く感じられます。
私は普段、「映像の中に特撮を使おう」という提唱をしていますが、それはかなり高い割合で「映像合成を活用しましょう」ということを言っています。
例えば、「人物をグリーンバックで撮影して合成しましょう」と言う具合です。
セットを実物大で用意するのではなく、例えば地下室のミニチュアを作り、そこに人物だけを合成すれば、地下室にいる人たちの場面が低予算で表現できるので良いのではないかという提案です。
でも、この『トレマーズ』では、恐らく映像合成は一切されていないのではないかと思います。
私が見ながら、これはグリーンバック撮影かなと思ったショットがいくつかありましたが、状況から考えると、そのためにグリーンバック撮影をしているわけはないと感じました。
さらに、1990年の作品であることを考えると、今のようにデジタル編集で綺麗な合成は出来ません。
おそらく映像合成はしていないんです。
冒頭に砂漠の端が深い谷になっている描写があります。
最後のクライマックスもそこが舞台になりますが、その崖はマットペインティングと呼ばれる絵によって描かれ、画面と合成されています。
この昔ながらのやり方を採用していることは監督も解説しています。
特撮というのもいろいろな種類があります。
この『トレマーズ』という作品は「ダミー」という特撮の手法を使っており、怪物の模型を使う意味で「ミニチュア」も使用しています。
冒頭の「マットペインティング」を含めても、基本的に特撮はそれだけで、映像合成をしていません。
これはある意味では贅沢な特撮映画とも言えますが、「映像合成をしなくてもここまでいろんなことができる」ということを確認する意味でも参考になると思います。
実際に映画を作ってみると分かりますが、合成映像を使わない特撮は、撮影現場が楽しいんです。
現物がそこにあるため、「糸が見えちゃったからもう一回」とか、「上から落ちてくる瓦礫をもう少し早くしてくれ」とか、そういったことをワイワイと打ち合わせしながら撮影する楽しさがあるんです。
この映画のメイキングを見て、そのことを感じました。
この『トレマーズ』という作品は、1,000万ドルを使って作られました。
興行収入は1,600万ドルで、全然失敗作とは思えません。
しかし、映画会社としてはもっと儲かるつもりだったらしく、興行成績は振るわなかったという評価になっています。
その後、この映画はビデオ販売やテレビ放送を通じて評判が上がり、現在ではカルト映画として人気を集めています。
『ジョーズ』と並び、この作品はクリーチャー映画のお手本だと言われるようになりました。
「クリーチャー映画」は特撮の造形などが見どころですが、登場人物に魅力がないことが多いです。
しかし、この『トレマーズ』も『ジョーズ』同様、登場人物が魅力的で、さらにコメディー要素があり、特殊効果も一流です。
多くの評論家が「良いモンスター映画を見たいなら『トレマーズ』を見ろ」と評しています。
モンスター映画の中で、「面白い映画のパターン」を踏襲している数少ない作品の一つです。
『トレマーズ』の1作目は劇場公開されましたが、日本では『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』と同時上映されました。
興行的にはそれほど成功したとは思われていませんが、ビデオシリーズとして続編がどんどん作られています。
『トレマーズ2』
『トレマーズ3』
『トレマーズ4』
正当な続編が7作あるんです。
ちなみに私は『トレマーズ』と『トレマーズ4』のDVDを持っています。
この他にテレビシリーズもあり、現在も新しいテレビシリーズが作られるという噂が流れています。
「『トレマーズ』を観てみようかな」と思われた方に注意事項があります。
このシリーズには関係のない、ニセモノの『トレマーズ』も結構存在するんです。
例えば『アイス・トレマーズ』というアメリカ映画や、『トレマーズ 砂の王国』という中国映画は、本シリーズとは全く関係がありません。
別に関係が無くても同じように面白いのであれば歓迎するんですが、やはりこれらのニセモノは物語部分が魅力的でなくて、つまらない傾向があります。
ニセモノを観て「なあんだ、『トレマーズ』っていうのも大したことないな」と思われたくないので、注意喚起をしておきます。
本物のシリーズと偽物のシリーズを見分ける方法があります。
このシリーズは主人公も変わり、監督も変わって作られているんですが、街の住人である、偏屈なガンマニアの男だけはシリーズを通してずっと登場しているんです。
演じているのはマイケル・グロス。
この人は私も大好きだったアメリカのテレビドラマ『ファミリータイズ』にマイケル・J・フォックスのお父さんの役で出演しています。
先にも言ったように、日本では『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』と同時上映されたので、『ファミリータイズ』のファンの人は劇場で不思議な繋がりを感じたかもしれません。
『ジョーズ』もそうですが、こういったよくできた面白い映画はときどき観直して、その魅力を再確認することが重要です。
私もいつか、こういった面白いクリーチャー映画を作りたいと思っているので機会があれば観直したいと思います。
今回は特撮を使ったクリーチャー映画の教科書的な1本として『トレマーズ』を紹介しました。
参考になれば幸いです。
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🦑 Tremors as a Masterclass in Practical Effects Filmmaking
There’s a genre I’ve loved since childhood: the creature feature. Sometimes called “B-movie monster films,” these are stories where strange beasts emerge and drive the plot—often with a generous dose of practical effects. While many of these films are charming, let’s be honest: not all of them are actually good movies.
But there are two I can recommend with absolute confidence: Steven Spielberg’s Jaws and Ron Underwood’s Tremors. The latter is often dubbed “Jaws on land,” and while there are some stylistic similarities, Tremors stands firmly on its own as a wildly entertaining film.
🎬 Budget vs. Entertainment Value
When Jaws premiered in the 1970s, it stirred controversy. Spielberg, then a young director, had used a large budget to make what was essentially a monster movie—something traditionally done on a shoestring. For filmmakers working with limited resources, it felt like he’d invaded their turf.
But here’s a common misconception: budget doesn’t determine whether a movie is good. People often say, “It’s low-budget, so of course it’s not great,” but that’s simply not true. Sure, budget affects logistics—fewer characters, simpler locations (like setting the story in a desert instead of a city)—but the core of a film’s quality lies in its script.
A high-budget film might afford more time for rewrites and polish, while a low-budget one may have to settle early. Still, the cost of hiring a great screenwriter is minuscule compared to the expense of shooting elaborate scenes. In my view, a film’s success or failure hinges almost entirely on its writing.
🏜️ The Charm of Tremors
Released in 1990, Tremors was Ron Underwood’s directorial debut. Set in a tiny desert town with a population of just 14, the story follows two handymen—Val and Earl—played by Kevin Bacon and Fred Ward. Their banter is delightful: they’re jokesters, constantly bickering, scraping by doing odd jobs for the locals.
One day, they encounter a grad student conducting seismic research. Strange vibrations are being detected, and while they joke about oil drilling or mining, the truth is far more bizarre: something monstrous is moving underground.
As Val and Earl try to leave town for better work, they discover a friend’s mysterious death and realize the only road out has been blocked—by the creature. They return to the town, and the battle begins.
What makes Tremors special is its tone. Unlike Ridley Scott’s Alien, which used darkness to build tension, Underwood wanted bright, sunlit visuals. The film is essentially a comedy, with Val and Earl portrayed as lovable goofballs—flawed but kind-hearted, respected by the townsfolk, and willing to risk their lives to protect others. You like them immediately, and that’s crucial. If you can’t connect with the protagonists, the film falls flat.
🐍 The Monster You Don’t See—At First
Like Jaws, Tremors understands that a good monster movie doesn’t show the creature too soon. Many lesser films make the mistake of overexposing their monsters, which kills suspense.
In Tremors, the creature’s presence is felt through clever visual cues: the ground bulges as it moves, fence posts topple one by one. These indirect signs build tension beautifully.
Eventually, we see part of the monster—a snake-like appendage. But it turns out that’s just a tentacle attached to a much larger beast, resembling a giant antlion with massive jaws. The creature locates prey by sensing vibrations in the ground, hence the title Tremors.
To survive, characters must stay on rocks scattered across the desert. If they touch the ground, they’re attacked. Watching grown adults leap from rock to rock like kids playing “the floor is lava” is both hilarious and endearing. That’s the magic of great comedy: the actors play it straight, and the absurdity shines through.
🛠️ Practical Effects Done Right
As the film progresses, the monster appears more frequently. Its design is unique and well-crafted. The DVD includes behind-the-scenes footage showing how the team built full-scale mechanical creatures and miniature sets.
One standout moment involves a monster bursting through a basement wall. The full-size model was too stiff for dynamic movement, so the team built a 1:4 scale miniature of both the creature and the basement. A puppeteer inserted their hand into the model to simulate wild thrashing—an ingenious solution that looks seamless on screen.
The miniature team had to replicate every detail, including furniture. Chairs were especially tricky. One crew member, proud of their handcrafted miniature chair, asked the director not to destroy it during filming. So the chair was placed safely at the edge of the frame. Knowing these stories adds a whole new layer of appreciation.
🎨 No Digital Compositing—Just Old-School Magic
Today, I often advocate for using compositing in special effects—shooting actors on green screens and combining them with miniature sets. It’s cost-effective and flexible.
But Tremors appears to use almost no compositing. Some shots might look like green screen, but given the era and production context, it’s unlikely. The film relies on traditional techniques like matte paintings to depict the canyon used in the climax.
The special effects include:
- Full-scale mechanical monsters
- Miniatures
- Matte paintings
No CGI. And that’s part of its charm. Practical effects make the set feel alive. You can imagine the crew shouting, “Let’s reset the rubble drop!” or “The wire’s showing—take it again!” That collaborative energy is palpable.
💰 Cult Status Earned
Tremors was made for $10 million and earned $16 million at the box office—not a flop, but not a smash hit either. However, it found its audience through home video and TV, eventually becoming a cult classic. Alongside Jaws, it’s now considered a gold standard for creature features.
Unlike many monster movies, Tremors has compelling characters, sharp comedy, and top-tier effects. Critics often say, “If you want to see a great monster movie, watch Tremors.”
📀 The Franchise and Its Impostors
The original Tremors was released in theaters, and in Japan, it was paired with Back to the Future Part III. While it didn’t dominate the box office, it spawned a long-running video series:
- Tremors 2
- Tremors 3
- Tremors 4
- Tremors: Bloodlines
- Tremors: Cold Day in Hell
- Tremors: Shrieker Island
I personally own the DVDs for Tremors and Tremors 4. There’s also a TV series, and rumors of a new one in development.
Be warned: there are fake Tremors films out there, like Ice Tremors (U.S.) and Tremors: Sand Kingdom (China). These are unrelated and often lack compelling stories. Don’t let a knockoff sour your impression of the real thing.
To identify the official series, look for one consistent character: Burt Gummer, the eccentric gun enthusiast played by Michael Gross—who also starred as the dad in Family Ties. Fans of that show may have felt a nostalgic connection when Tremors screened alongside Back to the Future Part III in Japan.
🎥 Final Thoughts
Like Jaws, Tremors is worth revisiting to appreciate its craftsmanship. I hope to make a creature feature of my own someday, and Tremors remains a textbook example of how to do it right.
If you’re interested in practical effects, monster design, or just want to watch a genuinely fun film—Tremors is a must-see.
Hope this was helpful!