SNS時代の舞台裏マーケティング・TheBalletShowに学ぶ特典映像の価値

 

今は「オマケ」が主役になる時代です。

特典映像や小冊子が「本編」を超える?受け手と作り手の価値観ギャップ

私は自分で製作した自主映画のDVDパッケージも自分で作って楽しんでいます。

これはVHSの時代から続けています。

以前はそれに、関連する自作の短編小説の小冊子を手作りして、セットで販売したりしていました。

 

この小冊子は、本屋でたまたま無料配布されていた、京極夏彦氏の「書楼弔堂」という小説の冒頭部分の小冊子の出来が良くて、それを真似て「自分でも作ってみたい」と思ったのがきっかけです。

 

これなどは、「映画のDVD」が「本編」で、「小冊子」が「オマケ」という分かりやすい構図です。

ところが、意外なことに、「受け手の満足感」を尺度にすると、必ずしも「本編」が上位で「オマケ」が下位とは言えないケースが増えてきている気がします。

 

元々、自主映画のDVDは以前から販売していました。

本編の映像のほかに、特典映像として、使用した小道具の解説や雑談のようなものを収録して入れていたんです。

作り手としては「特典映像」はほんの「オマケ」で「シャレ」のつもりです。

 

ところが、観た人の多くは「特典映像が面白かった」という感想をくれました。

相対的に本編の映像がつまらなかった、という意味だとすると、大いに反省すべきですが、「もしかしたら自主映画のメインは本編映像ではないのかもしれない」と考えるようになりました。

 

「オマケ」が主役に!駄菓子・旅番組「水曜どうでしょう」に見る価値逆転の実例

昔から、駄菓子の中には、オマケと言いつつ「オモチャ」がメインで、ガムは申し訳程度に入っているだけ、という商品もありました。

 

同じ構造の映像作品もありました。

例えば旅番組を作ろうとした場合、現地でのリポートが本番映像ですが、もし、その裏舞台の撮影をしておけば、メイキング映像というオマケが出来ることは想像できます。

しかし、大人気番組「水曜どうでしょう」の場合、言ってみれば裏舞台だけを撮影していて、本編の撮影をしていない旅番組のような内容です。

映像のクオリティーも、プロカメラマンでない人が撮影した、ラフなメイキング映像レベルです。

内容はトラブル満載で、ほとんどが出演者とスタッフの喧嘩道中という回もたくさんあります。

毎回の目的もあいまいで、旅番組として成り立ってはいません。

ところがこの面白さは、今では伝説的にさえなっています。

出演しているタレントの魅力はもちろんですが、「メイキング映像が持つ力」がその正体だと気付き、私は目から鱗が落ちました。

なぜ今「裏側」やメイキングが求められるのか?共感と体験の時代背景

厳しい言い方をすれば、「完成品こそ見て欲しい」と思っているのは作者のエゴで、受け手からすると「綺麗に整えられた完成品」はありきたりで、さほどの魅力は感じられない可能性が高い、という事です。

例えば、手作りの伝統工芸品。

材料を加工して作っている「課程」は面白くて興味深いんですが、最終的に綺麗に処理されるにしたがって、機械で大量生産させたプラスチック製品にどんどん近付いていってしまう印象を持つ事があります。

結果、売り場に並んだ綺麗な商品は、他の多くの綺麗な商品に埋もれています。

 

でも、オマケとして、「製造工程の風景」を見せたり、「体験」をさせると、その製品が欲しくなります。

そう考えると、「製造工程の風景」や「体験」がメインであって、商品はその記念の「オマケ」という位置付けが正しいのかもしれないんです。

舞台裏発信でファンを増やす!TheBalletShowに学ぶ創作・自主映画の新戦略

創作活動を本格的に継続しようとすると、資金の問題が生じたりします。

一般に、舞台や映画製作の活動は黒字化が難しい、赤字が当たり前、という悪い常識があります。

 

ところが、従来のように「完成品だけ見て欲しい」というのではなく、これまでは外部の人に見せなかった「メイキングの部分」を積極的に発信して、人々に魅力を伝えている事例が増えています。

 

その一例は、バレエ公演の「TheBalletShow」です。

黒字化は極めて困難と言われる日本のバレエの世界で、舞台裏やリハーサル、ダンサーの日常を積極的にSNSやYouTubeで発信しています。

舞台裏の人間ドラマやリアルな努力の積み重ねを見せることで、ファンの共感を呼んでいます。

結果、従来では考えられないレベルで、チケットやグッズの売上を実現しているそうです。

「舞台裏こそがメインコンテンツ」で「本番舞台」はそれに付随するもの、という見方もできるはずです。

これは新しい成功モデルと言えます。

 

そう考えてみると、収益化はほぼ不可能と言われる、自主映画の世界も、「完成品」をメインと考えず、「メイキング」で関係者の人間味やリアルな熱量を示すことで共感を得ることがとても重要です。

 

実際のところ、自主映画で言えば、「圧倒的に唯一無二の孤高の作品」は作れません。

どうしても、何かと似ているありきたりな作品になりがちですから、完成品だけで惹きつけることはかなり難しいんです。

 

でも舞台裏の「メイキング」や雑談が「共感」を生み、作品の完成前に話題の「拡散」や「熱狂」を広めていれば「本編」への思い入れは格段に強くなり、満足感が大きくなるはずです。

 

これは、古いタイプの創作者からは反感を買うことでしょう。

前述のバレエ団も、古いバレエ関係者からは「本番舞台だけで勝負しろ」という批判も多いと言います。

 

でも、大事なことは、お金を出している観客がそのメイキングコンテンツによって興味を持ち、本番舞台を見て感動しているという事実です。

また、従来のやり方では上手く行っていないという事実です。

 

作り手が満足させるべきは古い価値観のまま、時代に取り残された「同業者」ではなく、純粋に「観客」であるべきなんです。

 

映画で言えば、作品の「裏側」を積極的に発信することで、観客の共感や興味を引き出し、結果的に本編映像を「贅沢なオマケ」扱いにされても構わないという柔軟な発想が、新しい可能性を生むと思います。

 

あなたも作品づくりの際、どこに価値が生まれるかを再考してみませんか?

あなたの創作ではどんな「裏側」に魅力があるでしょうか?

 

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