あなたの個人的な創作活動である「映画作り」に助成金を申請すべき?
芸術は保護される対象なのか?
私は「芸術に対して助成金を出すべきだ」という意見には抵抗があります。
元々、本人が創作意欲に突き動かされて行なっている活動が、たまたま芸術分野の場合、それは芸術活動と言えるでしょう。
芸術活動は社会のルールの中に納まる限り、自由にやればいいと思います。
ただ、その活動に必要なコストを助成してもらう事を、当然の権利のように考えるのはおかしいと思うんです。
助成金というのは、そもそもは税金です。
その人の個人的な満足達成のために、どうしてその種類の芸術に興味が無い人が負担を負わなければいけないのか?
コロナの影響で劇場を使った活動が制限されて、演劇界の人たちが芸術活動の保護を「当然の権利」として主張したときに、一般の人たちから大反発を食らったのは当然と言えます。
「普段の生活で楽しみが無いから、自分たちのために芝居を作って上演してくれないか」と頼んだわけではないんです。
はっきり言ってしまえば、現代における演劇は、「演者側の自己満足」と「一部のファン」のためのものです。
その文化を存続させる意義が何かあるとしても、そしてそのために、税金を投入するとしても、優先順位はかなり低くなければおかしいでしょう。
たとえれば、食材が足りない状況なのに、「食卓に彩りを加える花をまず買いましょう」というのは理屈に合いません。
実はコストが掛からない映像製作
私たちの映像製作が、演劇活動と決定的に違うのは、「そもそものコストが少なくてもスタート出来る」ことです。
今でも、「映像制作関連の活動はお金が掛かる」と思っている人が、一定数います。
「映画作りが趣味です」というと「お金が掛かって大変でしょう!」と良く言われます。
中高年の人たちは、映画作りというと、消耗品であった「フィルム」の値段だけで数百万円掛かっていたことをなんとなく知っているので、そのイメージが残っているのかもしれません。
映画をフィルムでしか作れなかった時代。
仮にどんなにつまらない作品だとしても、フィルム代が数百万円掛かります。
編集設備も初期投資としてかなりの資金が必要でした。
ところが現在は、文字通り桁違いに安く活動できます。
フィルムはテープを経て、現在はカードに録画するのが一般的です。
カードは数千円で購入後、何度も使い回すことができます。
やはり数百万円掛けた編集設備でないと実現できなかったことを、家庭用のパソコンで軽々と出来てしまう時代なんです。
出来るだけコストを掛けずに映画を作ろうとすれば、普段使っているスマホやパソコンを使えるので、実質タダで始められる筈なんです。
それを考えても、「映画を制作したいから助成金を申請したい」というのは順番がおかしいんです。
まして、ほとんど初心者なのにもかかわらず、助成金やクラウドファンディングでお金を集めて映画を撮ろうとする人がいますが、その資金をうまく使いこなすことが出来るとは到底思えません。
プロでさえ、資金の使い方を失敗してバランスの悪い作品を作って、結果、興行にもいつも失敗しているわけですから。
高レベルの作品のための資金調達の前に
スマホとパソコンの基本機能だけで作った作品は、あなたが望む大作作品ではないかもしれません。
「もっと資金を投入できれば、もっと見栄えのする作品になるのに」と思うかもしれません。
でも、実際のところ、あなたが思っているほど、「映像のチープさ」で「面白さ」が損なわれることは無いんです。
逆に言うと、つまらないものは、予算を大きくしても「面白さ」は1mmもアップしない筈です。
やるべきことは、物語の内容を面白くして、撮り方を工夫することです。
そのためには、作品数をこなして各工程の経験を積む必要があります。
「どんなカメラを使ったらいいんだろう」
などという話とは別次元の話です。とにかく量。作品を何本も完成させることです。
「安っぽい画面だけど、作品として十分に面白い」というレベルに達してから、「この作品のグレードアップ版を作りたいので、各種資金を調達したい」という方が現実的で、望ましい順番と考えます。
協力者も得やすいですし、資金も比較的集めやすいでしょう。
参考になれば幸いです。
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昔はネックだった撮影・編集環境も、現代では簡単に手に入ります。スマホをお持ちの時点で最低限の環境はすでに揃っているとも言えます。
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