ラテックスの代替素材を探せ!

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「映画」と言っても色々な種類があります。

特に私が好きなジャンルの一つとして、「何か得体の知れない生き物」が出てくるような映画があります。

 

その「生き物」のことを「クリーチャー」と呼んだりしますが、これを大抵の場合、工作によって作ります。

有名な手法としては、怪獣映画のように人が入る、「着ぐるみ」と呼ばれる、「モンスタースーツ」があります。

これは、例えばウエットスーツのようなものを使って、その表面にウレタンなどで造形を加えていく、というような作り方をします。

 

もっと、こじんまりした手法では、「マペット」と呼ばれるものがあります。

これは怪物などの「頭部」の表現によく使われます。

手を入れて、口をパクパク動かすことができるシンプルな構造です。

 

構造はシンプルなんですが、使い方によっては非常にリアルな動きが表現できて、魅力的なキャラクターとして登場させられます。

 

こういった、動く生物の模型は、柔らかい素材で作る必要があります。

あまり、生物としてのリアリティを求めなくていいのであれば、ウレタンのようなものを貼り付けて、希望する形に整えていくというやり方があります。

 

しかし、動物のリアルな皮膚感を表現しようとすると、なかなかウレタンでは難しいわけです。

 

最も一般的に使えて、手軽な材料として、「ラテックスゴム」というものがあります。

ラテックスゴムは天然ゴムです。

東急ハンズなどの造形コーナーに置いてあります。

瓶に入っている、刺激臭のある液体です。

 

一見すると、豆乳のような色と質感をしています。

これが空気に触れることで、輪ゴムのような質感のゴムに固まります。

 

よくある使い方では、ウレタンで動物の形を作って、その表現にラテックスを何回か重ね塗りします。

ラテックスで上手くウレタンの質感を隠すと、皮膚の感じが表現できます。

輪ゴムのような素材ですから、柔らかくて、マペットのようなものには最適な素材と言えます。

 

ところが、この材料には致命的な欠点があります。

 

生のゴムなので、時間が経つと、腐ってしまうんです。

 

具体的にどうなるかというと、模型が完成してしばらくは、いわゆるゴムのような質感を保っています。

それが、だんだんと溶けるように腐食して、ベトベトするようになってくる。

 

何とか、防腐効果のあるスプレーをしたり、ある程度の寿命はのばせるとしても、長持ちはしません。

 

ですから、ラテックス製の模型を作って、それを映画で登場させる場合は、「完成したらすぐに撮影を終わらせて、撮影が終わったら使い捨てにする」ぐらいのつもりで使わなければいけません。

 

私は、もともと模型工作も好きですから、できることなら、この「動く模型」を作ったら、長く保存しておきたいんです。

もし、長期の保存ができれば、今回の作品のために作ったとしても、後でまた登場させることが可能になります。

 

そのために現在、ラテックスの代わりになる素材を探して、いろいろと実験をしています。

 

商業映画によく使われるのは、フォームラバーという素材です。

これは、2種類の薬品を泡立て器で泡立てて型に流し込み、オーブンで焼くと、きめの細かいスポンジのようになる素材です。

 

これは腐りません。

そして非常に柔らかくて、リアルな質感のものが作れます。

 

ただし、高価なことと、扱いが難しい欠点があります。

また、ケーキやクッキーを作るのに似ていて、一定の条件を整えて、焼いて仕上げる一発勝負なところがあります。

 

造形として、彫刻や粘土細工のように、少しずつを形にしていく、というようなことができません。

これは、工作としての自由度が低くて、不満な点です。

 

私が今、実験をしようとしているのは、工業系のコーキング剤を改良することです。

コーキング剤というのは、お風呂場や洗面台など、水回りに使われる、白いゴム状の材質の充填剤です。

 

このコーキング剤は非常に安くて、ホームセンターでも普通に手に入ります。

コーキング剤は薬品を混ぜ合わせたりすくことなく、チューブから絞り出すだけで、水分と反応して硬化する性質です。

硬化すると、適度な弾力性のあるゴム状の固体になります。

 

ただ、これを造形用の素材として使おうとすると、問題点が2つあります。

 

1つ目は、硬化後、やや硬すぎること。

2つ目は、固まる前は接着剤としての役割もあるため、ベトベトしていて、粘土のような造形が出来ないことです。

 

そこで、このコーキング剤に、粉末状のものを混ぜて、造形がしやすい適度な硬さを出しつつ、硬化後の柔らかさも維持するような調号を探そうとしているわけです。

 

今の所、調合するものは

  • ベビーパウダー
  • ケミカルウッドの粉
  • 中空微粉体(超軽量粘土の成分)

を候補にしています。

 

これらの比率を変えて調合し、望ましい性質の材料を作る「レシピ」を作ろうとしています。

 

このように、映画の中で使う物の作り方には決まりがないんです。

正解があるかどうかも分からない。

 

多くの方は、どこかに書いてある正解を知りたがります。

でも、そもそも、映画作りをはじめとする「創作活動」自体が、「解くことが困難な問題をわざわざ考えて、その答えを探す」というような作業です。

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Find a Substitute for Latex!

There are many types of films, but one genre I particularly love features mysterious, unidentifiable creatures.

These “creatures” are usually created through practical effects. A well-known method is the monster suit, often seen in kaiju films, where a performer wears a costume built from materials like wetsuits and sculpted foam.

A more compact technique is the use of puppets, especially for creature heads. These simple hand-operated designs can produce surprisingly lifelike movements and become compelling characters on screen.

To make these moving models, soft materials are essential. If realism isn’t a priority, you can simply sculpt with foam and shape it as needed. But if you want realistic skin texture, foam alone won’t cut it.

Latex: Common but Flawed

The most accessible material is latex rubber—a natural rubber found in many craft stores. It comes as a milky liquid with a strong odor and solidifies into a soft, rubbery texture when exposed to air.

A typical method involves sculpting the creature in foam and layering latex over it to mask the foam texture and simulate skin. Its softness makes it ideal for puppets.

But latex has a fatal flaw: it decays.

Over time, it breaks down and becomes sticky. Even with protective sprays, its lifespan is limited.

So if you use latex in a film, you must shoot quickly and treat the model as disposable.

Seeking a Long-Term Alternative

As a model enthusiast, I want my creations to last. If I can preserve them, I can reuse them in future projects.

That’s why I’m currently experimenting with alternative materials.

Foam Rubber: Professional but Tricky

Commercial films often use foam rubber, made by mixing two chemicals, whipping them into a foam, pouring into molds, and baking in an oven.

It doesn’t decay and offers a soft, realistic texture.

However, it’s expensive, difficult to handle, and requires precise conditions—much like baking a cake. You can’t sculpt it gradually like clay, which limits creative flexibility.

Experimenting with Caulking Compounds

I’m now testing modified industrial caulking compounds—the rubbery sealants used around sinks and bathtubs.

They’re cheap, widely available, and harden upon contact with moisture into a flexible rubber.

But there are two issues:

  1. Once hardened, they’re a bit too stiff.
  2. Before hardening, they’re sticky and unsuitable for sculpting.

To solve this, I’m experimenting with additives to adjust the texture and flexibility.

Candidates include:

  • Baby powder
  • Chemical wood powder
  • Hollow microspheres (used in ultra-light clay)

By adjusting the ratios, I hope to develop a recipe for a sculptable, durable material.

No Rules, Just Discovery

There’s no fixed method for making film props.

Most people want a “correct answer,” but creative work—especially filmmaking—is about tackling difficult problems and discovering your own solutions.

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