創作物のマネタイズ問題:完成作品の活用による収益化はどこまで可能か?

映画は作っておしまい?

趣味の創作は、自分の作りたい作品を、自分のペースで作ることを楽しめるのが、大前提です。

 

昔から、自主制作映画、DIY映画という趣味は存在していましたが、製作者が、作品の完成までは熱意を持って活動する一方、完成後の活用が非常に貧弱な印象があります。

 

例えば、無料で上映会を開催して、同じ趣味の人たちと交流を持つ事が出来れば良い方で、大抵の場合は、関係者だけで試写会をしたり、DVDを配ったりして、おしまいです。

 

私は10代の終わりから自主映画づくりに挑戦して、すでに30年以上経ちました。

その上での反省の一つは、「趣味活動でも経済性を意識すべきだった」ということです。

 

趣味である「創作活動」で利益を出すことに抵抗があるのは分かります。

しかし、「お金のために作りたくもない作品を作れ」という、趣味として本末転倒な事を勧めているわけではありません。

 

「自分たちが楽しんで作ったもので、利益も出せたら最高じゃないですか?」

という事です。

 

趣味の映画製作を友人同士で行うと、まず、ギャラを支払えません。

あくまで、遊びの一環として一緒に楽しむ、ということなので、無償で出演や協力を依頼することになります。

 

私も、交通費、食事代はプロデューサーとして負担することが多いですが、そこまでしか払えないのが実情です。

映画作りは安上がりな趣味の一つではありますが、それでも全制作費は、プロデューサー自身が自分の小遣いでまかなう必要があります。

 

趣味としての映画作りで、目指したいことは、

  • 長く活動を続けて
  • たくさんの作品を生み出す

ということでしょう。

 

制作費は出ていく一方、関係者は無償ボランティア、という状態では、なかなか活動は継続できません。

 

ですから、完成した作品をマネタイズして、制作費をまかない、関係者にも、僅かだとしても謝礼を支払える状況を目指したいのです。

遊びの一環でありながら、小遣いも稼げる映画作りの趣味、となれば、楽しんで参加してくれる人も確保しやすくなるはずです。

苦戦が続くamazonプライムビデオとキンドル本

以前、このメルマガでも書きましたが、私は趣味で作った映画を、amazonを利用してお金に変えられないかと画策していました。

 

具体的には

・amazonビデオダイレクト

・kindleダイレクトパブリッシング

の2つです。

 

amazonビデオダイレクトは、有料のプライムビデオの1本として公開されるものですが、最近では非常に審査に通りにくくなっています。

 

Kindle本で、「ビデオマガジン」と銘打って、メイキング情報と本編視聴が出来る作りにしてみましたが、私の出版しているキンドル本の中でも、ダントツに売上が悪い1冊になってしまいました。kindle読者には、全く需要が無いようです。

ただ自分としては

  • メイキング裏話
  • 原作小説
  • シナリオ
  • 本編映像

を盛り込んだ、可能性があるフォーマットだとは思います。

ご興味があれば是非、unlimited読み放題でご覧ください。

先日は、知り合いの映画監督に教えてもらった、動画配信サイト「XCREAM」でも、3本ほど作品を公開開始しましたが、恐らくは売れないでしょう。

あくまでもこれは、「作品を見たい」という人が現れた時の、受け皿の一つと考えています。

映画本編は、メインコンテンツなのか?

映画作りは、当然、作品を完成させるために活動します。

しかし、無名の出演者による映画で、客観的に見て、一番魅力があるのは本編映像ではなく、メイキング情報かもしれません。

メイキングの面白さが、映画創作の最大の武器と言えるのではないでしょうか?

 

そうなると、映画完成後、作品の活用方法に、もう一つの可能性が出てきます。

それは、「制作工程を教材の形にする」ということです。

 

オンライン教材の販売と言えば、ベネッセが運営して急速に発展しつつある「udemy(ユーデミー)」です。

udemyの利用

udemyの特徴は、積極的なキャンペーン活動です。

私もいくつかの教材を販売中ですが、割引キャンペーンのプロモーション時を中心に、売上が上がっています。

 

新作映画の制作工程の記録をしっかり残しておき、実際の作業の解説を加えながら教材の形にすることで、

  • 映画を作りたい人には参考に
  • それ以外の人にはメイキング情報というエンタメコンテンツとして

楽しんでいただけると思います。

 

実は、udemyの購入者の大多数は、教材としてコンテンツを見つつ、実際に自分では作業しない人達です。

小説を書かない人にも「小説の書き方」の本が楽しめるのと同じです。

 

教材のフォーマットとしては、各工程の解説に加え、役立ち情報、うんちく、そしておまけとして、本編映像という形を想定しています。

 

升田式スーパープリヴィズ法のパイロット版である、「暗黒魔獣ワニガメイーター」はメイキングDVDのために全制作工程を撮影しているので、構成を整えれば講座化出来るでしょう。

今後の新作についても、全て、教材化前提で作業を進めるつもりです。

 

まずは、自主映画制作と活用方法の、新しいスタイルを確立して、いずれはそのやり方も伝授できるようにしたいと思います。

 

参考になれば幸いです。

(ブログ記事一覧)

DIY映画倶楽部のご案内

 

創作活動としての映画製作は最高に楽しいものです。

昔はネックだった撮影・編集環境も、現代では簡単に手に入ります。スマホをお持ちの時点で最低限の環境はすでに揃っているとも言えます。

  • 趣味がない人。新しい趣味で楽しみたい人
  • 自分の創作がしたい人
  • 映像作品に出演して目立ちたい人、目立つ必要がある人

にとっては最適の趣味であることに間違いありません。

 

ただ、実際の映画製作には多くの工程があり、全てのノウハウを一人で身に付けて実践しようとすると大きな労力と長い時間が必要になります。

 

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広い意味でのストーリー映像を作るためのノウハウを共有し、必要であれば技術的な支援もしながら、あなたの創作活動をお手伝いします。

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