カルト映画を目指そう

趣味の映画こそカルト映画向き?

商業映画はビジネスです。

いくら投資をして、いくら回収できるか。

この計算の上で企画を通すわけですから、一定以上の需要が見込めないような内容の作品は、そもそも企画として通りません。

 

ところが、趣味の映画や、インディーズ映画は事情が違います。

そもそも制作費が格段に安価です。

特に、「趣味で映画を撮る」という場合、内容は限りなく自由度が高いものになります。

 

趣味の場合は、ビジネス的に成り立たせるということが絶対条件ではありませんから、自由度が高いのは当然です。

この「自由度が高いこと」が、インディーズ映画における大きな武器のひとつです。

 

そう考えると、いわゆるよくあるようなドラマ、よくあるような映画という企画を立てて、作品を作るというのは、ちょっともったいない気がします。

せっかくですから、例えば「カルト映画」のような企画はどうでしょう。

 

カルト映画といっても定義が曖昧なんですが、一般的な物語の設定、構成とか、画面の設計などから、少し逸脱した作品が多いように思います。

美術的な要素が高い映画や、実験映画のようなジャンルが分かりやすいでしょうか。

 

どこかアンバランスなんですけれども、それが普通とは違った魅力になっている映画、こういったものもたくさん存在しています。

例えば、実験映画を多く撮っている、松本俊夫監督が作った「ドグラ・マグラ」という映画。

この作品は、夢野久作が書いた有名な小説の映画化です。

これなども、「カルト映画」と呼んでいいのではないかと思います。

カルト映画を作る場合、製作者にとって有利なのは、一般的な商業映画と色々な点で違いがあるので、「比較されにくい」ということです。

例えば、今は医療モノのドラマや、警察もののドラマが非常に多く存在します。

もし、インディーズムービーで医療ものの作品を作った場合、その「商業ドラマ」と直接比較されてしまうわけです。

仮に、物語としては面白かったとしても、画面としてチャチく見えてしまうとか、お金がかかってない部分が目立ってしまう恐れがあるわけです。

インディーズ映画で、「よくあるパターンの映画」を作ると、劣化コピー、あるいはパロディのように見えてしまいがちです。

 

ところが、テレビドラマや映画などで題材にされないようなテーマのものを取り上げて作品にした場合、比べる相手がありませんから、技術的なレベルが商業映画ほど高くないインディーズ映画としては、非常に有利なわけです。

そもそも、そういう映画があまり存在していないので、インディーズ映画の独壇場になるという期待もできます。

 

インディーズ映画を作るのであれば、「カルト映画を目指す」という道も、選択肢として考えるべきではないかな、という風に思います。

 

もし、インディーズ映画で商業展開しようとする場合でも、1万人に買ってもらわないと採算が取れないようなコストは掛けない工夫が出来るはずです。

100人に買ってもらえれば、元が取れる、という規模の作品を作って、100人の「マニア」が喜ぶ「カルト映画」を作ることは可能なのではないでしょうか?

 

参考になれば幸いです

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