Amazon Video Directは映像版のKDPになれるか?(2019.07.10更新)

無料で映画を世界市場に流通させるチャンス到来?

Kindle電子書籍は手軽に電子書籍の出版が出来て、大手出版社と同じ土俵で販売できるのが魅力です。

そのビデオ版とも言えるサービスである、Amazon Video Direct。
これは、実質的に、自分で作ったビデオ作品を、世界中のレンタルビデオ店に置くような状況に似ています。

Kindle同様、手続きを全て自分で行なえば、無料で利用することができます。

しかし、Kindle以上に分かりにくい制約が多く、アカウントの登録完了後、いまだに1本の動画の公開を完了できていません。次から次へと新しいエラーが発生して、アップロードのやり直しが必要になるからです。

検索をしても、電子書籍のように参考になるサイトがあまりないようなので、自分の備忘録を兼ねて、発生した問題と解決した方法を追記して行こうと思います。

字幕ファイルについて

動画をアップロードする際に、「字幕ファイル」を用意する必要があります。(日本国内のみ公開の場合は不要)これはセリフが一切無しでも必要です。「何秒から何秒まで、(音楽)」とか「(無音)」などというように、映像と同期した内容で字幕を作らなければいけません。(英語で表記)

 

データ自体は、srt形式のファイルをメモ帳などで作れるのですが、「UTF-8」のフォーマットを使用する必要があります。何度も修正をしているうちに、うっかり「Unicode」や「ANSI」のフォーマットで保存してしまい、これをアップロードしたことでエラーが出ました。

・srt形式の字幕ファイルを保存する際、UTF-8フォーマットにすること

 

字幕ファイルは、
————————————
1
00:01:25,000 –> 00:01:28,000
Today is the first day
————————————
というような記述を繰り返す、シンプルなものです。

最初の「1」は通し番号ですが、実際には全部1と記述しても問題ありません。

末尾3桁はほぼ「000」でいいと思います。1/1000単位で細かいタイミングの設定は不要です。

上記の例では、1分25秒から1分28秒まで、「Today is the first day」という字幕を表示する設定です。

AVDでエラーが出るパターンとして、間違って、開始時間より前の時間を終了時間として設定してしまうことです。(今回、1箇所間違えていて、エラーが出ました)

・字幕の表示時間は、必ず終了時間のほうが遅いこと

 

日本語版の動画をアップロードする際は、英語の字幕ファイルが必要です。

特に、画面に日本語の字幕が出ているときは、それに対応する英語字幕が出ていないと、エラーになります。

今回、動画の中で画面の右上に項タイトルを「肩文字」として表記していて、それに対応する字幕が抜けていたためにエラーが出ました。
肩文字は、画面の邪魔にならないように右上の隅に表示させているのですが、字幕は画面の下部のかなり内側に表示されてしまうので、かなり邪魔です。

表示し続ける必要がるので、字幕で肝心の映像が良く見えない、という場面が出来てしまいました。

これは字幕の問題というより、「肩文字」を常時表記しておく、という画面は作らないほうが無難、ということだと思います。

 

「台詞のセグメントが字幕化されていないため、タイトルを公開できません。台詞の逐語が常時字幕化されている字幕ファイルを供給して、タイトルをもう一度提出してください。」というエラー。

フリートーク時のセリフの字幕を省略しすぎたようです。

動画ファイルについて

回線の状態によるとは思うのですが、動画のアップロードには非常に時間が掛かります。しかも、数分経つとタイムアウトして、その都度、保存ボタンを押す必要があります。
幸い、ブラウザを閉じない限り、保存ボタンを押せば、その続きのアップロード作業が再開されます。
カーソルの座標を記録して、指定した回数でクリック作業を行なうフリーソフト「おーとくりっか~」を使用することで、アップロードを完了できるようになりました。ただ、映画のような、ある程度の長さがある場合、アップロードに数日掛かると思われます。(現在は13分の動画で丸1日程度)

時間をかけてアップロードした後、ファイルに問題があるとエラーとなり、また、長時間のアップロードやり直しとなります。動画の形式には注意が必要です。

・動画はCFR(固定フレームレート)で作成すること

ただし、実際には固定フレームレートで作成しているにもかかわらず、「可変フレームレートなので、公開できません」というメッセージとともにエラーが出ることがあります。

今回、やはりエラーが出ました。

動画を出力するソフトに、「可変フレームレート」で出力する機能が無いので、正しく「固定フレームレート」で出力されている筈でした。

これについては問い合わせましたが、回答はありませんでした。

可能性として、フレームレート29.96で撮影された映像を、30で出力した場合、「可変フレームレート」と誤認識されている気がします。

複数の撮影素材が、異なるフレームレートの場合、どう対処するか、今のところ不明です。

レーティングについて

数日間の公開準備中にまたまた「公開エラー」が出ていました。以下、エラーメッセージです。
「レーティング – 不正確: 選択されたレーティングが不正確なため、タイトルを公開できません。レーティング団体より公式なレーティングを受けていない場合には、レーティングシステムの選択肢より「提示レーティング – 公式なレーティングのないタイトル」を選択し、タイトルに合う視聴者を正確に反映する提示レーティングを選択してください。視聴者の適合性を決める際には、性、暴力、冒涜な言葉、物質乱用、コンテンツ内の成人向けシーンのような要因を考慮に入れてください。レーティングを更新し、タイトルをもう一度提出してください。」

設定では「提示レーティング – 公式なレーティングのないタイトル」を選択した上で「全年齢」にしていました。唯一、暴力的なシーンが、怪物を銃器で撃ち殺すシーンなので、問題ないかと思ったのですが、一応、ここを「16歳以上」に設定しなおして、再度、保存しました。6/1現在、何度目かの審査中です。

・レーティングは「提示レーティング – 公式なレーティングのないタイトル」を使用し、年齢制限で子供を除外する(これが妥当かどうかはまだ不明)

このサービスを活用して、収益発生まではまだ時間が掛かりそうですが、気付いたことを追記して行きます。

ちなみに、Amazon Video Directの問い合わせサポートに関しては、翌日には回答がもらえる程度に対応は良いです。

タイトルについて

タイトルは英文で必要なのですが、注意すべきは大文字小文字です。

イニシャルキャップは問題ありませんが、オールキャップはエラーになります。
アップしたタイトルの一つに施設名が入っていて、正式名称がオールキャップだったのでそれに合わせたのですが、エラーで弾かれました。
略称としてはOKと書かれていますが、正しく判断されるとも限らないので、はじめから小文字かイニシャルキャップしか使わない形にしておくのが無難のようです。

・オールキャップは使わない

概要について

概要の欄を記入する際に、改行を入れるとエラーになります。

・改行は入れない


2019年時点で、Amazon Video Directへのアップロードは大変難しい状況になっています。

多くの低予算商業映画が削除される流れなので、新作をアップロードしようとしても、品質が低いと判断されて、登録を拒否されるのが現状です。

Amazon Video Directは映像版のKDPになれるか?(2019.07.10更新)” に対して2件のコメントがあります。

  1. 旅人 より:

    質問があるのですがもし可能であれば解決策をお知らせください。

    こちらの記事と同じようにトラブっております。動画のフレームレートでエラーが発生してアップロードできません。

    私の動画はアンドロイドOS9のスマホで撮影した物をinshotというアプリで編集して出力したら17分程度のHD動画です。フレームレートのエラーなので確認したところ毎秒30.30でした。これを他のエンコーダーアプリでキッチリ30.00フレームに直したのにそれでもフレームレートを直してくださいと表示されてはじかれます。

    アマゾンに問い合わせていますが、まだ返事がありません。もし解決方法を得ておられましたら教えていただけないでしょうか。

    YouTubeと比べてかなり面倒で複雑なアップロード方法なのでアマゾンには改良していただきたいですね。ちなみに弾かれている動画はユーチューブには問題なくアップロードできます。

    1. masuda より:

      ビデオカメラで撮影した映像や、編集動画のフレームレートは「29.96」が一般的です。
      こちらでAVDにアップロードしている動画も、フレームレートは「29.96」です。
      単純に「29.96」以外はエラーになるのかもしれません。

      アマゾンとしては、YouTubeのように気軽にアップロードしてほしい訳ではなさそうなので、簡単な仕様になる事は期待できないですね。
      私も、その後、アップロードには成功しても、審査で弾かれてしまうので、新作の公開が出来ていません。

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