リメイク作品の意義 オリジナルを知らない世代の為に

リメイクは本質の魅力継承のために必要

「リメイク」というと、「オリジナルの人気にあやかって安易に作ったもの」というネガティブなイメージがあると思います。

実際、映画のリメイク版がこれだけ多いと、ネタ切れもここまできたか、という印象を持つことも少なくありません。しかし、結論から言うと、リメイク版は必要でもあるのです。

 

リメイクされるような作品は、大概、オリジナルが優れています。

そのため、「劣化したリメイクなど見ずに、オリジナルを見ればいいじゃないか」という議論があります。

ところが、そう簡単にはいきません。

 

古くなっても本質の魅力は変わりません。

面白いものは面白い。

 

しかし、多くの観客や読者にとって、一定以上に古い表現を使った作品、フォーマットが古い作品は、「生理的に受け付けない状況」が存在する事も事実です。

そうすると、いくら「オリジナルがいい」と言っても、触れる機会すらない事になるのです。

 

例えば、手塚治虫の「ブラックジャック」という漫画があります。

私は自分で実写映画を作ったくらいのファンです。(MVG博物館内、作品紹介に解説と写真があります)

 

そのブラックジャックは、新しい作家の手によって、たくさんのリメイク作品があります。

新しく作られたストーリーもあるようですが、手塚版と全く同じストーリーを、今風の絵柄で描き直している作品も数多くあります。

 

オリジナルのファンである私からすると、正直「単に下手な絵で描き直しただけ」という印象しかありません。

しかし、今の若い読者は、手塚治虫の、いわゆる「漫画絵」が苦手です。

今風の絵になって初めて受け入れられて「ブラックジャックって面白いね」という話になるのです。

 

小説でも、例えば泉鏡花などは、独特の文体が魅力なのは分かりますが、入門版として現代語版をもっと普及させてもいいのではないでしょうか。

通ぶって「あの文語体が味わい深いのだ」と言っても、単純に読みにくくて内容がテンポ良く頭に入らない世代や、私のように勉強不足の人も多く存在します。

 

映画で言うと、黒澤明の「椿三十郎」は、全く同じシナリオのまま織田裕二でリメイクしました。

オリジナルのファンは予想通り、拒否反応を起こしていました。

でも、いくらオリジナルが面白いと言っても、「昔の俳優が出ているモノクロ映画」は、見慣れていない人には敷居が高く、今の世代の人にとっては観るきっかけすらありません。

 

まず、「見やすくなったリメイク版」を観ることで、「椿三十郎」という物語のを楽しめたら、それだけでも価値があります。

リメイク版をきっかけに、オリジナルにも興味が湧けば、素晴らしいことです。

 

つまり、リメイク版とは、オリジナルを知っている人の為のものではないんです。

オリジナルに触れる機会が無いであろう世代に、その魅力の一端を紹介するものです。

オリジナルのファンが対象ではないので「あのリメイクはひどいね」と批判すること自体、的外れなんです。

そう考えると、リメイク版には十分に存在価値があると気付くはずです。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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