グリーンバック映画第3弾(2021.04.18更新)
「暗黒魔獣ワニガメイーター」「精霊と河童の森」に続く、全編グリーンバック映画の第3弾は「虹色の霧」。
原作の掌編小説を作家のミシマナオミさんにご提供いただき、升田が映像のために脚本化。
ミシマナオミさんにご提供いただいた原作小説は、2000文字の幻想的な怪奇小説というテイストの作品。
基本設定や展開はほぼ原作を活かしつつ、映像化する上で、終盤部分をややシンプルに改変しました。
脚本第1稿を元に、ラフに描いた絵コンテがコチラ。
その後、表現が難しかった設定部分に変更を加えたりして、改版した後、絵コンテを清書。
絵コンテを作成した後は、私の標準工程として、「絵コンテのスキャン」を使って、プリヴィズ映像を製作します。
プリヴィズは仮映像です。
その目的は、撮影をする前に、完成映像のイメージを確認することです。
実際、絵コンテでは良いと思って撮影した映像でも、編集してみると、「もっと違う構図で撮影しておけばよかった」とか、「流れで見ると、この映像はいらない」ということがよくあります。
そんな失敗や無駄を減らすために、プリヴィズ映像を活用します。
映像は、セリフとセットにしないとイメージが掴めません。
そこで、セリフの仮音声も組み合わせます。
私は、プリヴィズ映像を作る際、セリフは「かんたん!AI TALK3」の機械音声を使用しています。
このソフトは、比較的人間らしい話し声に聞こえる上、話者選択が出来るので重宝しています、
録音と違って、テキストを入力すれば、一定の音量の音声ファイルが書き出せるのが特徴です。
今回は、登場人物が2人。
原作小説では男性2人ですが、仮音声では、キャラクター分けをわかりやすくするため、男女の声を使っています。
絵コンテのスキャンデータで作ったプリヴィズ映像がこちら。
今回は、「旅行先で撮影した映像を背景として流用する」という裏テーマを実践しています。
旅行などで訪れた場所をビデオカメラで撮影することは良くあります。
その場所が魅力的で「映画の場面に使いたいな」と思った場合、通常は作品のために、改めて同じ場所に行って、撮影する必要があります。登場人物やスタッフを引き連れてです。
それが通常のやり方であり、常識的な撮影ですが、私が推奨している「升田式スーパープリヴィズ方式」では、全く違います。
旅行中に撮影した映像を、単なるロケハンの資料映像と考えるのではなく、 実際の背景映像として使ってしまう。
合成用の背景映像として使えるように、あらかじめ意識して撮影しておく、ということです。
これがうまくいくと、映画作品の量産に利用できるはずです。
今回の作品では、神奈川県・秦野市にある「震生湖」という池に行った時に撮影した映像を使用することにしました。
震生湖は、関東大震災の時に出来た池だそうです。
流れ込んでいる川などがないため、水源は恐らく地下水のみ。
地元の人が釣りを楽しんだり、軽いハイキングができるコースがあります。
原作ではブナの森が舞台になっているので、イメージも大体、近いのではないかと判断しました。
撮影した映像は、特に目的もなく、「公園紹介」のような形で撮影していたものです。これを丁寧に見直し、絵コンテに合う背景映像を探します。
「歩いている人物目線の映像」以外は、ほとんど、静止画書き出しした画像を背景に使うことにします。
まずは、絵コンテのスキャンで作ったプリヴィズ映像の「絵」と「実写背景」を差し替えていきます。
人物は、絵コンテに合わせて、人形をグリーンバック撮影し、プリヴィズ映像に合成します。
背景を撮影した部分は「実写背景+人形」、背景映像がない場面は「絵コンテのまま」または「絵コンテ+人形」という、マダラ状態のプリヴィズ映像が形になります。
このように、プリヴィズを単なる「タイミング確認のための使い捨て映像」として扱うのではなく、随時、改版していって、最終的には完成品に変化させるのが、「升田式スーパープリヴィズ方式」の特徴です。
(この記事は追記の形で続きます)
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