正義の味方

1970年代、テレビの普及も影響しているのでしょう、子供向けのヒーロー物の番組がたくさん登場します。

ウルトラマン、仮面ライダー、ゴレンジャーから始まる戦隊ヒーロー。

当時作られたフォーマットのこれらの番組が、何十年も経った現在も脈々と作られ、相変わらず子供たちから絶大な支持をされているという事が驚異的ですが、これらの主人公が「正義の味方」という点が重要だと思います。

日本で大変な災害が起きて世界中に人々の姿が報じられたとき、世界の人々が、日本人の規律や礼儀、道徳心について称賛してくれました。

同情や励ましの意味も込めて持ち上げてくれた面もあるとは思いますが、もしかしたら実際に日本人は平均すると少しは道徳心、正義感が強いかもしれない、と思うこともあります。

その原因のひとつに、ヒーロー物の影響力というのがあるのではないでしょうか。

 

よくも悪くも子供の時の体験というのは精神の深いところに刷り込まれます。

そんな時期、ヒーロー物を夢中で観ていた子供たちには「正義の味方」という概念が、たとえ無自覚だったとしても強烈に刷り込まれていると思います。
仮面ライダーに憧れて正義の味方になりたかった、それで警察官になった、という人も実際にいます。

そこまで大きな影響でなくても、何か悪いことをしようとした時に心の奥に刷り込まれた「正義の味方」という概念によって踏みとどまる、という影響はあるでしょう。

もちろんテレビ番組は商業目的に作られたものです。

しかし、当時の制作者たちが子供に「正義の味方」というテーマを提示したのは大変な英断だと思えます。

そして、基本的なコンセプトを変えていない新しいヒーロー物が現代の子供たちを夢中にさせている、という現実は喜ばしいことだと思うのです。

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