恐竜化石模型の複製開始

IMG_20141120_004516やりたいことが多すぎて、随分と進行が遅れている「恐竜化石模型」製作ですが、ようやく次の段階、原型の複製に入りました。弟に原型を預け、依頼していた複製が届きました。

当初は原型を精巧に作り込み、それをかなり完全に複製して仕上げよう、と思っていたのですが、博物館のショップ等で高価格の模型を間近に観察したり、実物の標本を眺めたりしていると、精巧な複製よりも、ある程度の追加作業を加えて個体差を出すくらいの方がいいのではないか、と方針転換をしました。

そうすると課題となっていた、複製すると歯が欠けてしまう問題も解決で、歯は別パーツとして作って、1本1本取り付ける事にしました。当然、手作業で小さな歯を作ると、形状や大きさに微妙な差が出ますが、そのばらつき感こそ、化石模型に限っては、高級感が出ると思うのです。安い模型は、全体のバランスがおかしい上に、歯並びが不自然にキレイであることが多いように思います。

恐竜模型というと、第一人者の荒木一成先生をはじめ、造形師の方々が知られています。それに比べて、化石模型の作家は少ない印象があります。何となく想像として、恐竜の復元模型だと、形状や色など、作家の個性を発揮する部分があって、化石模型は、骨格なので、いかに精密に作るかしかない、個性が入る余地がない、と思っていました。しかし、骨格を作る上でも、かなり個性は出るかもしれないなあ、と思い直しています。

私はどうも、恐竜好きであると同時に、骨格の機能美も好きなようで、骨格のメカとしての構造と有機的な形状(生き物だから当たり前ですが)の組み合わせが、H.R.ギーガーの作品のようで面白いと思えるのです。

それに加えて化石模型は保存状態のバリエーションも表現できます。原生動物の骨格模型のようにキレイに整ったものから、多少の欠落や変型があるもの、完全には岩から取り出していないものなどのバリエーションも楽しそうで、作家の個性を出せそうです。

順次、思い付いたものを形にして、紹介して行きたいと思います。

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